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企業再生には「ジタバタ感」が大切 ネガティブ思考のすすめ

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  • 中里 基 企業再生ファンド勤務 ターンアラウンドマネージャー

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戦略コンサルタントを経て、現在、会津のバス会社の再建を手掛ける著者が、企業再生のリアルな日常を描く。「バス会社の収益構造」といった堅い話から、 「どのようにドライバーのやる気をかき立てるのか?」といった泥臭い話まで、論理と感情を織り交ぜたストーリーを描いていく。
猪苗代湖近影。(手前の白鳥と文中の白鳥は関係ありません)

 福島の職場から30分くらいバスで走ったところに、猪苗代湖という日本で4番目に大きい湖があります。ちょうど今の季節は、シベリアからたくさんの白鳥が飛来して、湖面はとても幻想的な雰囲気。湖畔付近は大変フォトジェニックです。

私もにわかマニアで、気まぐれに白鳥を見に行ったりもするのですが、先日、湖面のすぐそばで白鳥をまじまじと眺めてみると、高い透明度の元で水面下もうっすらと見えました。

白鳥は、水面での優雅な泳ぎとは裏腹に、水の下では必死にバタバタしていました。私の仕事は優雅には程遠いですが、見えないところで(見えないつもりで)いつもジタバタしている様子は一緒だなあと、何となく感じ入りました。

改めて考えてみると、企業再生には「ジタバタ感」というのが意外に大切な気がします。

「ジタバタ感」というと何となくネガティブで不安定な響きがありますが、あたふたするのとは違います。うまく表現できませんが、最後の最後まで「この解が最良なのか」と悩み続け、葛藤し続けるような感じです。もちろんそれとは逆に、物事に取り組むにあたり「なんとかなるだろう」でどっしり構え、割り切ることも大事だと思います。

しかしながら私にとって、これまでどうにか企業再生の戦略作りや実行など、クリティカルな局面での仕事を続けてこられたのは、「『何とかなる』では不安で仕方ない」「『何とかなる』で済むはずがない」という、ある種悲観的な「ジタバタ感」にある気がします。

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【震災の修羅場で抱いた思い】

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