今の利益が、いわゆる真水である点も見逃せない。平井社長就任初年の2013年3月期。ソニーは前期の営業赤字672億円から一転、営業利益2301億円を稼ぎ出したものの、その実態は資産売却による収益の押し上げだった。ソニーは米国会計基準を採用しており、日本の会計基準では特別利益として認識されるような一時的な資産売却益も、本業の利益を示す営業利益の中に含める。
この期は出資先で医療情報提供を行うエムスリー株の一部譲渡に伴い売却益と再評価益で1222億円を計上した。ニューヨークにある米国本社ビルやオフィスビル・ソニーシティ大崎などの売却なども進め、利益をひねり出したのである。こうした弾が尽きた翌2014年3月期の営業利益は264億円と大幅に減少、最終損益は再び1283億円という巨額赤字に陥った。
それから先はひたすらリストラだ。「VAIO」ブランドで一世を風靡したパソコン事業は2014年に投資ファンドへ売却。10期連続で赤字が続いていたテレビ事業は分社化に踏み切り、採算管理を徹底して前期に黒字化。巨額の赤字に苦しむスマホも戦線を縮小し、採算改善を進めている。本社や販社の費用削減なども断行し、前期末の連結従業員数は13.1万人と直近のピークである2008年3月末から3割近く減少した。
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