成功する人ほど「礼儀作法」を重んじている 映画「キングスマン」、哲学者アランに学ぶ

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礼儀作法を重んじる人が成功する理由とは?(写真:monzenmachi / PIXTA)

先日、話題の映画「キングスマン」を観ました。評判のよさは聞いていたのですが、開始直後からセンスあふれる演出が続き「これは間違いない」と一気に引き込まれました。ウィットに富んだセリフ回し、スタイリッシュな映像、魅力的なキャラクター。どれも申し分なく、楽しむことができました。

「マナーが人を作る」という名言

さて、この映画でのキーワードのひとつに「マナー(礼儀)が人を作る(Manners make the man)」というものがあります。この作品の大事なスパイスが、英国紳士の作法の数々。主人公の青年は、師である筋金入りの英国紳士スパイから、たびたびこの言葉をたたき込まれます。

生まれや育ちは関係ない。きちんとした言葉遣い、丁寧で敬意のあふれる挙動こそが、その人の性格や能力を作り上げる。礼儀や作法、マナーをバカにしてはいけない、おろそかにしてはいけない。実はこのメッセージ、私自身が常々、意識していることでもあります。

『幸福論』で有名なアラン(本名:エミール=オーギュスト・シャルティエ)も、生きるうえでの「礼儀の大切さ」を説いた人でした。

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私が先月上梓した『アラン先生と不幸な8人』(ワニブックス)は、フランスの著名な哲学者・アランの教えをかみ砕いて、現代風な物語仕立てにしたもの。アランの代表作「幸福論」は、古今東西の数多ある『幸福論』の中で、ラッセルのもの、ヒルティのものと並び、「世界3大幸福論」と賞されています。

彼は『幸福論』の中で、行動が心理に与える影響を強調しています。

いくつか彼の代表的な教えを紹介しましょう。

・幸せだから笑うのではなく、笑えば人は幸せになれる
・拳を開けば、相手を殴ることはできないので、結果的に怒りはなくなり、結果的に握手をすることもできる
・祈りは、祈り自体に効果があるのではなく、祈りのポーズ(静かに腕の中に顔を埋めること)のおかげで、精神が休まるから意味がある
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