先日、ある企業から依頼があり、全社員向けにコンプライアンス研修を行う機会がありました。
研修のテーマは「相談力」。なぜコンプライアンス研修で相談力?と感じる方もいるでしょうか。
相談しなければならないケースが激増
コンプライアンスを直訳すると法令順守ですが、実際には企業が直面するさまざまなトラブルにいかに正しく対応するか、という意味合いが強いかもしれません。その企業の方針・信念を問うものでもあるだけに、社員個人が勝手に判断せず、上司や担当部署に対策を相談することが不可欠です。
コンプライアンスの領域は、正解や明確な線引きがないグレーなジャンル。にもかかわらず、トラブルに発展すると全社に影響を与えかねない、実に厄介な代物です。ですから、相談=社内コミュニケーションが欠かせません。
ところが、そのためのスキルや風土、環境やシステムが整っていないと、「どこに相談すればいいかわからない」「上司はいつも忙しそうだから、これはこちらで判断しよう」などということになり、問題がさらに大きくなることもしばしば。
そこで、いくつかのケースに基づいて、どうすれば「相談」が風通しよく行われるかについて、ワークショップを行いました。
そもそも、「相談」という言葉は不思議なもので、「報告」や「連絡」に比べてニュアンスが柔らかく軽く聞こえます。深刻さが足りないというか、緊急度・重要度が低いというか。
そのため、相談するほうも「あのー、ちょっと一瞬、相談していいですか?」などとゆるく持ちかけることになるし、相談されるほうも「いつでも相談に来いよ~」などと鷹揚な態度になります。
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