カヤックが「変な制度」を作り続けるワケ

「面白法人」のワーク・ルールズ<前編>

三好:当たり前ですが、合宿はとてもおカネがかかります。200人が泊まりに行って、その分、稼働を止めますから。単純に1回で500万円くらいかかります。入社して2年間くらいは、僕が合宿のプログラムを作っていました。毎回、どうやったら合宿がよくなるのかを考えていましたが、「そんなに意味があるのかな? 別のサービスにかけたほうがよいのでは?」とも思っていました。

このおカネを払って、2日間全員のリソースを使えたら、それだけですごいサービスが1個できそうじゃないですか。それをたとえば、年1回にしたら、新しい事業を立ち上げられます、みたいな話をしたら、柳澤(大輔・社長)さんに怒られましたね。

今回の取材を受けてくださったお三方。左から広報担当の松原佳代さん、人事担当の三好晃一さんと柴田史郎さん

松原:合宿では、経営理念と会社について、みんなで考えます。最近入社した社員であればあるほど、経営理念に触れる機会が少ない。なので、仕事や事業のことを考えているのではなく、会社という組織のことを考える場を作っています。

合宿では、200人が20チームに分かれて、お題に対してのブレストをして、発表するというチーム戦が行われます。前回のお題は、「全員が参加したくなって、かつ、テレビなどに取り上げられるような新しい制度」。経営理念や行動指針に直結していないと、もちろん採用されないですし、価値観を寄せていくことにつながっています。

「意味のないこと」でも真剣に考える

──チーム分けはどうやってされるのですか?

柴田:1回はランダムで、もう1回はテーマ性です。ランダムはコミュニケーションをとらせるためで、もうひとつは、会社の課題をみんなで考えるときに、同じような属性の人たちで話すっていうのもありだろうということで、入社10年目以上や、女性だけといった振り分けをしています。前回は新卒1年目のチームが優勝しました。新入社員がいちばんいいアイデアを出すこともあります。

三好:お題は変なもののときもけっこうあります。「Aさんを使った何か面白いものを考えよ」みたいな。でも、合宿で大切にしていることとして、「意味がなさそうなことをブレストして、考え続けて自分たちで意味を見いだす」というのがあります。200人の社員が、くだらないお題について、真剣に熱心に、朝の3時ぐらいまで考える。この姿を新入社員が見たら、先輩がここまでやるなら、自分もやらなきゃいけないと思う。それだけで文化の浸透ができると思っています。だから、ブレストは必ずひとつの大部屋で行いますし、ブレストのお題はなるべく、本気で考えたくなるものか本当に無駄なものかのどっちかがいい。この側面に気づいてから、合宿は重要だと思うようになりました。

松原:ブレストの中に、カヤックの行動指針や理念などを理解する過程が含まれていると思います。

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