うらやましい!Googleの人事評価と福利厚生 人事担当責任者が語る「社員を尊重する」ワケ
世界中で社員を増やすグーグル。その「世界最強の職場」を設計した男がすべてを明かした。超優秀な人材を見つけ出し、活躍させる秘訣とは? 前回は、グーグルの評価と風通しのよさを紹介したが、今回は報酬と福利厚生の一部についてお伝えしよう。(以下、カッコ内は鬼澤忍・矢羽野薫訳『WORK RULES!』日本版より引用)
できる社員は100倍の報酬をもらう
「グーグルでは、同じ業務を担当する2人の社員が会社にもたらす影響に100倍の差があれば、報酬も100倍になる場合が実際にある。たとえば、ある社員が1万ドル、同じ部門の別の社員が100万ドルのストックオプションを、それぞれ支給されたこともある。これは極端な例だが、ほぼすべての職位で、報酬の差が3~5倍になることは珍しくない」
社員の能力や成果に大きな格差が生じてしまう以上、それに対する報酬にも当然大きな差がつく。日本企業に比べれば、欧米企業は皆その傾向が強いが、グーグルの報酬についての第1原則が、「報酬は不公平に」というものだ。最も優秀な人材は会社が思っている以上に優秀で、会社が支払う報酬以上の価値がある、という信念がその根底にある。
過去には、実績を上げたチームへの報奨を決めるプロセスが不透明だと批判されたこともある。そのたびに選考プロセスの透明化が進んでいく。金銭的な報酬への満足度がつねに高いとは限らないため、報奨を旅行やパーティ、グーグルTVの進呈などの「経験」に変えたら、金銭より満足度が上がったこともあった。
ネット上で社員が互いに褒め合う「gサンクス」の導入、1人1回175ドルまで管理職の承認や書類手続きなしで社員が社員にボーナスを支給できる制度など、社内に驚きと喜びを与える報酬での数々の仕組み作りに試行錯誤している。
「私が報酬の仕組みという繊細な内部事情を詳細に明かす理由は、グーグルの成功を自慢するためではなく、報酬のあり方をめぐって私たちも数多くの間違いをおかしてきたからだ。その過程で、報酬と公平さと正義と幸せについて学んだ」
極め付きは、リスクに萎縮する愚を避けるため、「思慮深い失敗に報いる」方針だ。撤退した事業の開発チームにも、成功報酬には遠く及ばないながら対価を与えている。
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