グーグル「謎多き日本法人」で起きていること

トップブランド構築の裏にある葛藤とは?

グーグル日本法人が入居する六本木ヒルズ森タワー(写真:まちゃー/PIXTA)

今や押しも押されもせぬ、就職人気企業となったグーグル。米国本社の就職倍率は米ハーバード大学に入るよりも25倍、倍率が高いとされ、日本からの採用も「ハイヤリング・バー(採用基準)はとてつもなく高い」(日本法人OB)。その分、中に入れば待遇は良く、日本法人では「20代後半で年収1000万円以上は軽くいく」(別のOB)とささやかれている。「結婚したい企業」ランキングでもたびたび上位に入る人気企業だ。

グーグルは米国に本拠を置く世界企業。日本法人は、ある意味では"支社"に過ぎないため、日本法人だけを切り分けて分析されることは、ほとんどない。切り分けて分析すること自体が無意味だ、との声もある。

とはいえ就職先として人気がある会社であり、日本法人がどのような位置づけなのか、知りたい向きも多いだろう。そこで、めったに取り上げられることのない、企業としての「グーグル日本法人」を分析してみる。

誰も知らない?日本法人のトップ

「あの人、名前なんだっけ?」。

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グーグル日本法人社内であっても、意外にも知られてない人物がいる。2014年1月から代表取締役を務める、ロバートソン三保子氏だ。同氏の役割や経歴について、日本法人広報は「プライバシーのことなので、代表取締役が誰かということを含めて答えられない」と口を閉ざす。同氏のメディア露出は、これまで皆無と言っていい。

現在、実際に日本法人を統括しているのはロバートソン氏の前に代表取締役だった、フランス人のカリム・サード・テムサマニ氏だ。カリム氏はアジア太平洋地域のトップを務めており、組織上、日本法人はその配下にある。そのため、カリフォルニア州マウンテンビューにある米国本社にとって、日本法人の代表取締役は、法人としての体裁を整えるための「”かざり”のような存在」(グーグル関係者)になっているようだ。

そもそもグーグル全体で見た場合、日本に限らず、アジア太平洋地域で発生する売り上げ規模は大きくない。同社IR資料によれば、直近四半期(2015年1~3月期)の地域別売上高は米国が43%、イギリスが10%、その他が47%。アジア太平洋地域のは「その他」に含まれる。米国本社にとって業績貢献度が低い。こうした理由から、日本法人トップの名前は社内ですらほとんど浸透せず、公表もされていない可能性がある。

米国本社の方針により、経営幹部だけでなく、グーグル日本法人は業績や従業員数に関しても秘密主義を徹底している。これらの情報は一切開示されてないが、周辺情報を総合すれば、日本法人の年間売上高は約3000億円、従業員数は1000人超と見られる。"支社"と侮れないほどの大企業なのだ。

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