今回のコラムは、東南アジアからインドへ。インドといえばまずはスズキ。だが、カシオもなかなかのブランド力だ。有名俳優が頼んでもいないのに「G-SHOCK」を身につけて映画に出演したことが一つのきっかけで、同社がインドで快進撃を開始したのは、知る人ぞ知る話だ。実はG-SHOCKだけでなく、現地でヒット商品が連発、カシオのインドの売り上げはこの7年でなんと5倍強に。カシオインディアの中正男社長にも、快進撃の秘密を聞いた。
「インド式桁表示」に対応、ついに電卓市場を「制覇」
カシオと言えば、G-SHOCKが一つの代名詞だが、インドでは電卓のことを語らずにはいられない。
同社は世界各国で電卓を販売しているが、「ゼロを発明した数字の大国」であるインドでは、長年苦戦してきた。それが大ヒットしたのは、2010年のことだ。
実はカシオは1980年代からインドで電卓の販売を開始。ソフトウェア産業勃興のためインドが技術系大学を増やしていた2000年代には、大学公認の授業用具として採用されるなどで知名度は高まり、売れる下地は作られていた。
しかし、いかんせん価格が競合メーカーの2倍近くすることもあって、販売が大きく伸びることはなかった。
だが、2010年に発売された「CHECK CALCURATOR MJ-120D」で、形勢が一気に変わった。同製品では従来製品と比べ、2つのテコ入れが行われた。
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