なぜ中国はヒステリックになったのか

中国が真のリーダーになるために必要なこと

ほとんど無表情のまま、握手をする日中首脳(代表撮影/ロイター/アフロ)

露骨になった中国

11月10日、北京で安倍晋三首相と、中国の習近平・国家主席が初めて本格的な会談を行った。曲がりなりにも、首脳会談と呼べる対話が行われたのは約3年ぶりだという。10日の首脳会談をめぐる細かなやりとりは、専門家に任せるとして、長年、中国と向き合ってきたビジネスマンとしての立場から、ひとこと言わせていただく。

今回のコラムでいいたいのは、結論から言えば、昔の中国は思慮深かったが、最近の中国は子供っぽいところが目立つ、ということだ。「何を言っているんだ、いろいろ原因をつくったのは日本ではないか」と反論する向きもあるかもしれない。だが、35年ほど中国とのビジネスを行っている身からすると、今の中国は、昔とはすっかり変わってしまった。

もともと中国の外交的な手法とは、相手が弱いと見るや、カサにかかって責め立てる。多少の論理の飛躍があろうがなかろうが、強弁や詭弁はいわば、お手の物だ。だが、昔はそうした手法は、露骨には見せなかったものだ。

私が初めて中国の土地を踏んだのは1979年の春である。その前年の1978年の10月、鄧小平氏が初めて日本を訪問した。日中平和友好条約の批准書を交換するための訪日だったが、その存在感が一気に日中の歴史問題を越えて和解の合意まで成功させてしまった。

尖閣諸島の話もあったが、事実上、領土の話は、「時間を掛けて解決しましょう」とアッサリ「棚上げ」にしたうえで最も重要な国交回復を優先させた。百戦錬磨の老獪さを余すところなく発揮した形で、大所高所に立った決断を行った。日本中が沸き返ったのは言を待たないが、私自身も中国が大好きになって、中国貿易に本格的にのめり込むようになったのは、この時である。

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