ビッグサイエンスを変えた"蓮舫ショック"

どのように予算措置を順位づけるか?

第1回では科学の進展の大きな流れと、ビッグサイエンスの在り方が変わり特にネットワーク型科学が出てきたことにより、現在はビッグサイエンス2.0とも呼べる時代にあることをご紹介しました。

今回は日本およびアメリカのビッグサイエンスが、何をきっかけとし優先順位「ロードマップ」をもつように至ったかを紹介します。

科学者に衝撃を与えた蓮舫議員の発言

2000年代に入り、従来型の大型施設を必要とするビッグサイエンスに加え、ネットワーク型ビッグサイエンスも出てきて、国がマネジメントしなければならない巨大プロジェクトが増えてきました。そうした状態に起きた事件が、2007年の民主党政権による事業仕分け、そして蓮舫議員による「世界一になる理由は何があるんでしょうか、2位ではダメなのですか?」という発言です。

科学者はこの言葉に一様に驚き、かつ、もどかしい思いをしました。科学の成果は一番に発表しなければ、科学の世界では業績として認められません。同時に一番であることをきちんと世界の関係者に主張していかなければ、その科学者の成果として認められません。

さらに、世界で一番の科学的成果を挙げるためには、長い年月の苦労と積み重ねが必要です。特に、優秀な人材を一定規模で輩出するには思いつきでガタガタ動いてはままなりません。こうした、科学者にとって当たり前の事実が、そうとは認められていないという衝撃は非常に大きなものでした。多くの科学者が、「日本の科学が潰れてしまう」という危機感を抱きました。

蓮舫議員のこの言葉は、ビッグサイエンスのひとつ、当時の次世代スパコン(現在の京コンピュータ)に向けられていました。その後、議論を経て京コンピュータは国際的な競争でも立派な成績を挙げ、そして地震や津波、気象の予測、ものづくりや医療、新しい材料開発など多くの分野に貢献しています。

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