国家プロジェクトは500億円を境に国際化

ビッグサイエンスの成長戦略とは?

巨大化した科学、なかでも科学者の興味から発展するボトムアップ型の基礎科学は、ほぼ例外なく国家プロジェクトから国際プロジェクトへと移行します。今回は、どのあたりで国際プロジェクトへ移行するのか、また、国際プロジェクトの成果は、誰のものになるのかを見ていきます。

半世紀の間の巨大化と、最近のスマート化

欧州原子核研究機構CERNの巨大加速器は周長27kmにおよぶ(赤線の地下に設置されている、提供:CERN)

大型化を続けている代表的な装置に、ロケットや粒子加速器があります。どちらもこの半世紀の間、大型化、強度化が進んでいますが、最近ではロケットについては小型化をしてコストパフォーマンスよく使用する、加速器については医療など他の分野で利用する流れも見えてきました。

日本におけるロケット開発は、1955年にわずか23cmの小さなペンシルロケットを打ち上げることから始まりました。大重量を打ち上げることができる液体燃料ロケットでは2009年に初フライトをしたH-IIBロケットが運用されています。こちらは全長56.6m、重量531トンと非常に大きいロケットです。日本はいま、H-IIBロケットの次にくる、次期基幹ロケットの議論を進めています。

一方で日本の固体ロケットは、コストパフォーマンスを重視したイプシロンロケットの開発に成功しました。イプシロンロケットは、1.2トンの衛星を打ち上げる能力を持ち、全長24.4m、重量91トンで、それ以前の個体ロケットM-Vと比較すると少し小ぶりですが打ち上げコストの半減に成功したスマートなロケットです。

粒子を加速する加速器も大型化を続けています。ヒッグス粒子を発見するに至ったLHC加速器の周長は27kmにも達します。

日本では理化学研究所で1937年に近代的な加速器である、陽子サイクロトロンが作られました。戦後の混乱を抜けて努力を続け、1976年に陽子シンクロトロンが現在の高エネルギー加速器研究機構に設置されます。これはいわば準備段階で、1983年に運転を開始した加速器「トリスタン」で日本は、「世界一の衝突エネルギーを達成」することになりました。

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