教養として読むべき「経済学の名著」ベスト5 数式がほぼ出てこないすごい本も!

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経済学必須の教養を、わかりやすく学べる名著(写真:ナオ / PIXTA)
難解なイメージがある経済学ですが、その基本的な知識がすぐに頭に入る「名著」があることを知っていますか?
経済学の名著50冊が1冊でざっと学べる』の著書のある、代々木ゼミナールのカリスマ講師・蔭山克秀さんに教えてもらいました。

 

①『経済学』サミュエルソン

――数式をあえて使わず説明してくれる良書

サミュエルソンは現代経済学の「隠れた巨人」です。従来理論の再構築と分析手法(特にモデルの単純化や数学の活用)で新しい道をバンバン拓き、経済学全体の学問的発展に多大なる功績を残したことで、1970年ノーベル経済学賞を受賞しました。

彼の著書『経済学(上下巻)』は「世界一売れた経済学の教科書」として知られ、全世界で1000万部を超える超ベストセラーとなっています。

初心者にやさしい教科書

この本はとてもすごい本です。まずグラフの説明がおそろしく丁寧で、初めての人でもかなり安心して学べます。図の説明もメチャクチャ具体的でわかりやすい。たとえば「生産物市場」の具体例として「トウモロコシの価格/医療/ロックコンサート/ピッツァの価格」などを挙げ、すぐ下にそのための「要素市場」として「トウモロコシ用農地の地代/医者の勤務時間数/スタジオの使用料/トラックの走行マイル数」などと書かれています。これ以上ないくらいのわかりやすさです。

さらにこの本、「何を・いかに・何のために」が徹底されている上、一番すごいのが「数式がほとんど出てこない」ことです。経済学で数学革命をもたらしたサミュエルソンが、教科書では数式を使わないのです!

②『セイラー教授の行動経済学入門』セイラー

――話題の「行動経済学」がわかる!

セイラーは「行動経済学」で経済学と心理学を見事に統合し、2017年ノーベル経済学賞を受賞しました。

行動経済学とは、経済学に心理学的アプローチを試みることで、人間の非合理的な行動をモデル化していく学問分野です。

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