鶏は本来、歩き、地面をつつき、周囲を探索する動物だ。しかし、肉用鶏は体が重く、飛び上がることも得意ではない。日本の一般的な生産では、鶏舎内の限られた空間で多数を飼い、短い飼育期間で出荷する。だからこそ、十分に動ける空間があるか、脚の健康が守られているかが重要になる。
糞尿やこぼれた水で、湿ったままの床
ブロイラーは通常、鶏舎の床に敷料を敷いて飼育される。飼育密度が高ければ、自由に動ける空間は狭くなる。体重が増えて座っている時間が長くなると、床の状態も健康を左右する。
例えば、糞尿やこぼれた水で敷料が湿ったままになると、足裏の皮膚に炎症が起きることがある。足底皮膚炎(趾蹠皮膚炎)と呼ばれる症状だ。悪化すれば傷や潰瘍となり、歩行がいっそう難しくなる。
敷料は飼育期間を通じて継続使用されることも多く、湿度や汚れの管理が重要になる。足の皮膚炎の原因となる敷料の湿りが、鶏が糞をついばむ習性を通じて鶏群内の感染の広がりにも影響する可能性も指摘されている。
この問題は、単に外見の問題ではない。痛みを抱えた鶏が動けずにいることは、鶏の健康管理そのものの問題でもある。もちろん、すべての鶏舎が不衛生ということではない。換気や敷料の管理を徹底する生産者もいる。しかし、短期間で大量に育てる仕組みでは、飼育密度、床の状態、成長速度を一体として考えなければならない。


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