GMOインターネットグループの熊谷正寿氏が開いた不正アクセス問題をめぐる記者会見が、SNSでちゃかしの対象になっている。特徴的な言い回しや涙が注目されたが、その背景には、利用者への説明よりも、経営者自身の思いが前に出る会見になったことが考えられる。
また会見後には、経営姿勢そのものを問う報道も相次いでいる。その根っこをたどると、ネットに捧げた31年と、計画が狂ったことへの焦り、そして、ワンマン経営の危うさが見えてくる。
被害の説明より記憶に残った「命の砂時計」
問題となったのは、同グループの事業会社であるGMOインターネットが提供するサービスへの不正アクセスだ。GMO側は、顧客情報の流出に加え、不正取引による資産被害についても説明した。会見は、GMO側による説明と質疑応答を合わせて約3時間26分。そのなかで受け手の印象に残ったのは、被害の説明よりむしろ、登壇者である熊谷氏の言動だった。
たとえば「命の砂時計」。記者が、以前から指摘されていたリスクへの対応や、それに対する判断の背景を具体的に尋ねると、熊谷氏は、同じ趣旨の質問を繰り返しているとして、質問の重複を避けるよう求めた。その際に持ち出したのが、この言葉だった。
一方、グループの紹介では、「“子会社”は禁止用語です」とも語った。従業員をパートナーと呼ぶことなど、組織の上下を連想させる言葉を使わないという社内の考え方を説明したものだ。しかし、被害の状況や対応を知ろうと会見を見ていた人には、なぜ今、自社の理念を聞かされるのかという疑問が残ったのではないか。
会見の進め方にも、独特の場面があった。担当者が回答している最中、熊谷氏が上着のボタンを閉めるよう指示。SNSでは、一連の言動へのツッコミが相次いだ。なかには、「命の砂時計を一番無駄にしてるのはGMO熊谷さんだと思います」と皮肉る投稿もあった。


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