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キャリア・教育 #浪人したら人生「劇的に」変わった――学び直し・再挑戦の物語

焼き鳥職人の19年は「遠回り」?―8浪・51歳での司法試験合格、「娘の誕生日に番号がなかった日」を乗り越えた弁護士の歩み

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杉原さんと娘さんたち
焼き鳥屋の仕事と娘たちの育児をしながら司法試験に挑んだ杉原さんに話を聞きました(写真:杉原さん提供)
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そのとき、検索で出てきた弁護士が伊藤真氏でした。たまたまその伊藤氏が名古屋で講演すると知った杉原さんは、藁にも縋る思いで聞きに行きました

「“やればできる。必ずできる”、伊藤氏のシンプルな言葉が、悶々としていた自分の心に驚くぐらい響きました。ああ、単に自分が行動を起こすだけなんだなと思って、すぐに司法試験を受けるために伊藤塾に申し込みました」

こうして司法試験の受験を決意した杉原さん。しかし、焼き鳥店の社長へ報告に行くと、何時間も説教されてしまいました。

「大将から『正気か?』などと言われて、めちゃくちゃ怒られたんです。ただ、半分泣きながら聞いているうちに『なんでここまで言われないといけないんだ』と逆にやる気に火が付いちゃって、『まぁ見ててください、やりますんで』と啖呵を切って受験勉強を始めました」

赤ちゃんのゲップをさせながら講義を聞いた

最初の1年は「文字を書くのも久しぶり」という状態からのスタートでした。読んでもまったく頭に入らず、覚えてもすぐ忘れる。勉強からあまりに遠ざかっていた現実に愕然とします。

「講義を聞く時間を確保するのも難しかったので、赤ちゃんのゲップをさせながら、寝かしつけながら、その隙間に講義を聞いていました。勉強方法はいろいろと試行錯誤しましたが、最終的にはぶつぶつと呟くスタイルに落ち着きました。両手が塞がっていても勉強できるからです」

焼き鳥屋には浪人の1年目から少しずつ復帰しつつ、勉強を続けます。予備試験の1段階目(マークシート)は2年目でクリア。しかし法的思考を事案に即して説明する2段階目(論文式)の壁がなかなか越えられず、毎年通過まであと100番、あと50番という惜しい位置で5年間跳ね返され続けます。

しかし、杉原さんは6年目の挑戦で、ようやく予備試験を突破します。前年の予備試験合格者の司法試験合格率は98%。その数字を見た杉原さんは、自分も合格できると思い込んでいたと言います。

「予備試験に合格して、この日々がついに終わるんだ、と思いました。ただ、そう思うようになったら、もう終わった後のことしか見えなくなってしまっていたんです。司法試験本番では、知っていることを知識として吐き出そうと意識しすぎていて、相手(問題用紙)と会話するという視点が完全に抜けていました」

失敗したことに薄々気づいたものの、「それでも受かっているはず」と自分に言い聞かせながら合格発表に臨んだ杉原さん。

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