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キャリア・教育 #浪人したら人生「劇的に」変わった――学び直し・再挑戦の物語

焼き鳥職人の19年は「遠回り」?―8浪・51歳での司法試験合格、「娘の誕生日に番号がなかった日」を乗り越えた弁護士の歩み

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杉原さんと娘さんたち
焼き鳥屋の仕事と娘たちの育児をしながら司法試験に挑んだ杉原さんに話を聞きました(写真:杉原さん提供)
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センター試験(現:共通テスト)の点数は前年よりも振るわなかったようで、千葉大学を受験することに決め、法経学部に合格。大学生活も漫然と送り成績はギリギリ、留年も経験したそうです。

「体育の単位が取れず、半期だけ単位をとって、変則的な夏の時期に卒業しました。変な時期に卒業したこともあり、やりたいこともまったくなかったので就活もしませんでした。今でいうニートをしていましたね」

やりたいこともないまま、5〜6年間はぶらぶらアルバイト生活。千葉を出て名古屋に移り住んでもやりたいことは見つからず、その間にパートナーと結婚。初めて「ふらふらするのを辞めてしっかりしなければ」と思い立ちます。

焼き鳥に夢中になって「雇ってください」と直談判した夜

しっかりした仕事に就くため、いろんな知人に相談に乗ってもらっていた杉原さん。その中の一人に、「焼き鳥でも食いながら話しよう」と連れて行ってもらいます。それが、名古屋の焼き鳥屋「きんぼし」でした。

「仕事の相談に乗ってもらっていたはずなのに、出てくる焼き鳥に夢中になってしまったんです。食べながら知らないうちに笑顔になっちゃって、そこで、自分もこんな焼き鳥を焼けるようになったらいいなと思って、その場で大将に『雇ってもらえますか?』と直接聞いたんです。

翌日の昼間にももう一度雇ってくださいと言いに行って、『まぁまぁ、全然雇うよ、やる気があるんならね』と返事をもらったのでそれから19年間お世話になることになりました」

職人として働く中で、大将から繰り返し教わったのが「目の前のお客さんを喜ばせること」でした。

「よくカウンターの下に座らせられて、『笑え!』と怒鳴られました。指示された仕事をこなすことだけが仕事だと思っていた私に、目の前の人を喜ばせることが仕事なんだと、その対価が料金なんだと、何年もかけて教えてくれました。その考え方は、今も弁護士の仕事の根幹になっています」

焼き鳥屋の仕事をしながら3人の娘にも恵まれました。しかし、妻は出産後に体の不調をきたすようになり、杉原さんが仕事を休んで育児・家事を担う生活になります。

飲食業の拘束時間の長さを考えると、仕事への復帰も、自分で店を出すという夢も、現実的な見通しが立ちませんでした。

「家で悶々としていると、寝込んでいる妻に、交互に泣く子供たちに、恨みつらみが浮かんできます。そんな自分が嫌になって、自分がなんかしないといけないと思うようになりました。せめて、育児しながら何か資格が取れないかなと思い、インターネットで検索しはじめました」

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