私は外科医としてこれまでたくさんの「腸」を見てきました。手術室で患者さんのおなかを開くと腸が顔をのぞかせるわけですが、その腸が”生きがいい”か”生きが悪い”かは、もうパッとひと目見ただけで分かります。
元気な腸はきれいなピンク色をしています。腸を巡っている血液は動脈なので、その血液を映した明るい色をしているのが本来の姿なのです。
ところが、長い間、便秘に悩まされてきた人の腸は、どす黒い感じの紫色をしています。紫色になるのは血流障害を起こしているという証拠。便秘をこじらせてしまった患者さんの場合、腸の内壁までが真っ黒になっていることも少なくありません。その内壁は全体にむくんだように腫れぼったく、粘膜が荒れていて、汚染物質によって炎症などのトラブルが多発していることをうかがわせます。
とにかく、”生きが悪い腸”は、もし患者さん本人がそれを見たら悲鳴を上げて卒倒するんじゃないかというくらい、それはそれはひどい状態なのです。みなさんの中にも便秘という問題を抱えてきた方が多いでしょうが、やはり相当ひどい状態になっていると思ったほうがいいでしょう。
「腸育」なら「水源」をよみがえらせることができる
ただ、あきらめることはありません。腸は「立て直し」がきく臓器です。あきらめずに便秘を解消させて腸の健康回復に努めていけば、”生きの悪い腸”を”生きのいい腸”へと立て直すことだってできます。
私は、この立て直しメソッドを「腸育」と呼んでいます。「腸育」は、腸内環境、自律神経、食生活、生活リズムなどをすべて根本から見直して、”腸という子ども”をイチから育て直すようなつもりで復活させていくもの。これを実践すれば、「よごれた水源」を「きれいな水源」へとよみがえらせることも十分に可能なのです。
「腸育」によって「水源」が回復すれば、質のよいきれいな血液が全身を巡り、細胞や臓器に元気と活気をもたらすようになっていくでしょう。当然、たくさんの血液が流れ込む腎臓にも少なからずプラスの効果がもたらされるはずです。腎機能がうまく回るようになれば、常に質のよい血液が全身を循環するようになって、疲れにくくなったり、肌の調子がよくなったりと、多くの健康効果を実感できるようになっていくのではないでしょうか。
ですからみなさん、腸を立て直し、「水源」をきれいにしていきましょう。「水源」をリセットして血液の質をよい状態に保っていくことは、腎臓をはじめとした体の臓器を末永く健康にキープしていくためのいちばんの基本なのです。


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