ガイドさんの丁寧な解説を聴きながら、私を含めた約10名のツアー客は敷地内を進んでいった。写真撮影不可の館内では「合わせ鏡」の光を利用した幻想的な通路があり、それぞれのツアー客が没入できるよう、ガイドさん指示の下で時間を空けて進んだ。通路には“無限ループ感”があり、うん、これはなかなか面白いぞ。
その他にも「体験型の美術館」といったイメージの作品が複数展示されていた。私は「来て良かったな」と素直に思ったし、私以外の参加者も全員が満足そうな顔をしていた。推せるか推せないかと聞かれたら、答えは迷わず前者だ。
崩壊しそうな煙突・ラピュタの世界観
海に面している犬島は「海上輸送」の面で強みがある。本島から距離的に離れているので「煙害対策」もできる……明治40年代に隆盛を極めた犬島精錬所だったが、第一次世界大戦の終結に伴う「銅価格の大暴落」により閉鎖に追い込まれた。
敷地内にはカラミレンガが積まれた建造物が、半壊ないし全壊した状態で残されていた。レンガが放置されたり埋まっている道も散見された。
現在約30名しか暮らしていないこの島で、大規模な精錬所がたしかに存在していたこと。嘘のような本当の事実をこれでもかと突きつけられ、ハッとしたと言うか、感動したと言うか、なんだか寂しい気持ちになったと言うか……。


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