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作ったばかりの無名サーバーに3万回超の不審接続、「うちは狙われない」が通用しないサイバー攻撃の実態

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世界各地から押し寄せる不審なアクセスを可視化
小型サーバーの実験で見つかった16秒の侵入。その裏で何が起きているのでしょうか?(画像:筆者提供)
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さらに、サーバーに不正なプログラムを居座らせようとする動きもありました。10月23日の別の接続では、わずか20秒間にプログラムの持ち込みを試み、サーバーの再起動時や毎時間、自動的に動くよう設定まで要求していたのです。合鍵が再びログインするための仕掛けなら、こちらは管理者がサーバーを再起動しても、不正なプログラムを動かし続けるための仕掛けです。

サーバーを乗っ取られると、情報を盗まれるだけでなく、コンピューターの計算能力を勝手に使って暗号資産を採掘されたり、別の組織を攻撃する踏み台にされたりする危険もあります。自社の業務が停止するばかりか、取引先や第三者にまで被害が広がる可能性もあるのです。会社の規模が小さくても、その影響は決して小さいとは限りません。

よく試された命令(図表:筆者作成)
順位 命令の内容 要求回数
1 OSやCPU、稼働状況の確認 74,741
2 動作環境の詳しい確認 10,488
3 GPUの性能確認 5,764
4 ファイルの送り込み 4,824
5 持ち込んだファイルの起動 4,820
6 ファイルの実行権限の変更 1,608
7 ファイルの削除 1,606

管理用の入口を絞る対策と、侵入後の異変を見逃さない仕組みを整えたい

企業がこうした攻撃に備えるには、不正なログインを防ぐだけでなく、万一侵入されたときに被害を広げない対策も必要です。今回の実験で見えた手口を踏まえて、経営者や管理職でも確認できるポイントを押さえておきましょう。

まずは、インターネットからアクセスできる機器やシステムを洗い出す必要があります。リモートワーク用の接続機器や保守用の管理画面、以前の担当者が作った試験サーバーなど、把握していない入口が残っているかもしれません。経営者や管理職は、担当者に「外部から接続できる入口がどれだけあり、誰が管理しているのか」を確認してみてください。不要な入口は閉じ、業務上必要なものも接続元を制限します。あわせて、機器やソフトウェアの更新プログラムが適用されているかも点検しましょう。

次に、ログイン時の認証を強化します。今回の記録では、「123456」などの簡単なパスワードが何度も試されていました。初期設定のままのパスワードは変更し、使われていない保守用アカウントは無効にします。さらに、多要素認証や正規の管理者だけが持つ電子的な鍵による認証を導入すれば、不正なログインを防ぐ効果が高まります。万一侵入されても重要な設定を勝手に変更されないよう、アカウントごとの操作権限も必要最小限に絞っておきましょう。

万一、不審なログインが見つかったら、パスワードを変更するだけで終わらせてはいけません。先ほどの「合鍵」や自動起動の例のように、攻撃者が再び侵入したり、勝手にプログラムを動かしたりするための仕掛けを残している可能性があるからです。担当者には、ログインの記録を調べるだけでなく、見覚えのない鍵や自動的に動くプログラムが追加されていないかまで確認してもらいましょう。

経営者や管理職が確認しておきたい3つのセキュリティ対策です(画像:筆者提供)

監視を外部へ委託している場合も、異常を検知したとき誰に連絡が届き、誰が対応するかを確認する必要があります。システムの切り離しや証拠の保存、取引先への連絡、バックアップからの復旧まで、事前に手順を決めておけば混乱を減らせます。

IPAも26年10月の注意喚起で、外部公開システムやアカウントの点検、認証と権限の見直し、ログの確認などを呼びかけました。セキュリティを技術担当者だけの仕事にせず、事業を守る経営課題として扱うことが欠かせません。

IPAが2026年10月9日に公開した注意喚起です。画像はIPAより(画像:筆者提供)

今回用意したのは、顧客情報も企業としての知名度もない架空の業務サーバーです。それでも、10月21日から29日午後までに3万回を超える不審なログインの試みが記録されました。中には、不正なプログラムを動かそうとしたり、再び侵入するための「合鍵」を残そうとしたりする動きもありました。サイバー攻撃は、大企業だけの問題ではありません。「うちは狙われない」と油断せず、自社のどのシステムがインターネットに公開され、どのような対策が取られているのか、今一度確認してみてください。

東洋経済Tech×サイバーセキュリティでは、サイバー攻撃、セキュリティの最新動向、事業継続を可能にするために必要な情報をお届けしています。

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