ところが、盆栽の世界ではそんな桜が意外にも敬遠されがちだというのを知っていますか?
著書『世界のビジネスエリートを惹きつける 教養としての盆栽』が話題を呼んでいる依田徹氏が、松やシンパクの「松柏盆栽」と対をなす、盆栽のもう一つの一大ジャンル「雑木盆栽」について解説します。
常緑針葉樹以外の盆栽「雑木盆栽」
盆栽には「松柏」と対になる、もう一つの大きな分類があります。それが「雑木盆栽」です。常緑針葉樹以外の樹は、すべて雑木に分類されるのです。
雑木盆栽は、四季に応じて芽吹きや紅葉といった変化が楽しめる点が特徴です。また一口に雑木と言っても、いくつかのジャンルがあります。
葉の美しさ、変化を見どころとする「葉物」、開花期を見どころとする「花物」、さらに果実の実った姿を見どころとする「実物」、山野草などを植えた「草物」もあります。
厳密な区分があるわけではなく、カリンなどは花や紅葉、果実も見どころとなるため、一つのジャンルの枠組みに留まらないものもあります。
青葉から紅葉まで、葉の変化が見どころとなるのが葉物です。ケヤキやイチョウ、イワシデなどがありますが、代表格はなんといってもモミジでしょう。
春の赤い新芽、夏場の青葉、秋の鮮やかな紅葉、さらに落葉した冬姿と、四季ごとの変化を楽しめるのが醍醐味です。
またモミジの近縁種にカエデがあります。大きな違いは葉先の切れ込みが深い方がモミジ、そして浅い方がカエデです。
カエデとは「蛙の手」、つまり水かきに見立てた呼び名なのです。
盆栽界ではイロハモミジから変化した「ヤマモミジ」が主流ですが、この他にも葉などの特徴によってさまざまな品種に分けられており、たとえば新芽の時期にも真っ赤な葉を広げる「出猩々(でしょうじょう)」など、美しい名前が付けられています。


