この他の花物としては、サクラやザクロ、ツバキなどがあります。
ただ、サクラはウメに比べるとあまり盆栽としては好まれません。第一にサクラは葉が大きいため、小さく作りこむことが難しいからです。
またサクラの開花期はきわめて短く、ウメのように長くは楽しめません。
大宮盆栽美術館にもサクラの盆栽があるのですが、開花のタイミングに合わせてフォトグラファーを呼ぼうとしてもすぐに散ってしまうため、たいへん苦労しました。
盆栽界で独自の立ち位置を占めるサツキ
花物盆栽の中でも、独自の世界を持っているのがサツキです。そもそもサツキはツツジの一種です。江戸時代初頭、江戸や京都においてツツジが大流行しました。
鹿児島の品種である霧島躑躅(つつじ)などが持ち込まれ、桂離宮をはじめとする各地の庭園に植えられています。
そして江戸では品種改良が進み、ウメと同じように大量の品種が作られました。
その中でも特に5月(皐月)に咲く品種が「サツキツツジ」と呼ばれ、やがて「サツキ」とのみ呼ばれるようになったのです。
明治期の盆栽界では、サツキは樹種の一つに過ぎませんでした。しかし5月の開花期の美しさを愛する人が増え、大正13年(1924)には大日本皐月同好会が発足します。
これ以降、サツキの独立性は高まっていき、サツキ盆栽のみの展覧会などが催されるようになりました。
現在も日本盆栽協会とは別に日本皐月協会があり、盆栽の作り方においても独自のジャンルを形成しています。

