もっとも、犬のクローンそのものは、新しい技術ではない。韓国の関税庁は2008年、優秀な麻薬探知犬から作ったクローン犬を公開し、中国でも2019年に初のクローン警察犬が正式に採用された。いずれも「適性のある犬を確保しにくい」という、ウォーハウンドと同じ課題が出発点だった。今回これほどの反発を呼んだのは、技術の新しさというより、「防衛テック×著名起業家×軍事」という組み合わせのインパクトだろう。
企業が「何者かわからない」という不安に加え、技術的・倫理的に「何が起きるかわからない」。今回のニュースでは、双方の見通せなさが重なっている。
追浜工場と小泉防衛相、点と点がつながる
さらにここに、「人々が知らないところで、話が大きく進んでいる」といった点が加わる。あらゆる要素が見えないなか、実は……といった展開は、憶測が広がる温床になり、社会や政治の不信へと行き着く。
軍用犬のケースで言えば、「すでに日本政府とズブズブなのではないか」といった懸念が存在している。アンドゥリルは2026年6月時点で、閉鎖が予定されている日産自動車追浜工場の取得をめぐり、協議を進めていると報じられていた。ロイターの報道によると、工場を軍用ドローンの生産拠点へ転用したい考えがあるという。
追浜工場があるのは神奈川県横須賀市だ。小泉進次郎防衛相の地元であることから、その地理的なつながりに疑問を持つ反応は少なくない。
また、小泉氏は25年12月4日、ラッキー氏と面会し、防衛産業について意見交換したとXで発信。アンドゥリルも日本法人設立の発表で、日本政府の支援のもと、既存の産業施設を防衛生産向けに転用する可能性を検討すると説明していた。


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