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「置き去りにされた人々」の怒りがドイツ・フランスで極右政党を押し上げる―右傾化したEUが日本に与える悪影響とは?

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キリスト教民主同盟(CDU)本部前に掲げられた「ドイツのための選択肢」(AfD)の看板(写真:2026 Bloomberg Finance LP)
  • 安部 雅延 国際ジャーナリスト(フランス在住)

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ドイツの極右政党「ドイツのための選択肢」(AfD)の急伸は、過去にない勢いの中にある。

ギリシャによるユーロ危機への支援に反対する党として2013年に結成されたAfDは、シリア難民が押し寄せた15年以降は移民排斥や国境管理強化、反イスラムを訴えて右派政党として伸長した。25年の総選挙でAfDは第2党となり、26年10月の政党支持率は28.0%と政党としてトップに躍り出た。

結党以来、確実に支持率を伸ばしてきたAfDは、メルツドイツ連邦政府首相率いる与党第1党のキリスト教民主・社会同盟(CDU/CSU)の支持率20.1%を約8ポイント上回っている。ただ、CDU/CSUはAfDとの連立を組む選択肢は否定している。

また、他の左派政党である緑の党やドイツ社会民主党(SPD)、左翼党はAfDとは真逆の政治理念を持っており、AfDが単独で過半数を制しない限り、現時点では連邦政権奪取は困難だ。

統一から三十数年、東西格差が消えないドイツ

とはいえ、26年9月に実施された旧東ドイツのザクセン=アンハルト州の議会選挙ではAfDが43.8%を獲得し、圧勝した。とくに労働者層の支持が強い同州は、従来は左派政党の票田だった。ところが、今回は右派へと支持が移動した。

全83議席中39議席獲得したものの過半数には至らなかったが、続く9月20日に実施されたこちらも旧東ドイツのメクレンブルク=フォアポンメルン州の州議会選挙では、AfDが38.2%を獲得して第1党となった。

AfDの基本的支持基盤は、旧東ドイツにある。急伸の背景にはドイツ経済の停滞が、経済力が弱い旧東ドイツ地域を直撃していることがある。

とくにドイツ経済の基盤である自動車や化学、機械産業は、エネルギー価格の高騰と中国企業との競争激化もあって、製造業での雇用不安は深刻な状況だ。再統一後、東ドイツは製造業の生産現場となり、労働者階級が住み着くようになった。

旧東ドイツはソ連の強い影響力の下で近代化が遅れ、強い地域主義と民族主義が温存された。1990年代はトルコ移民を襲うネオナチが社会問題化した。

その後も貧しさに耐えながら生活する旧東ドイツ市民にとって、大量の難民・移民受け入れは社会保障や住宅事情に浸食し、治安悪化につながったことから、移民受け入れによる社会変化にもついていけていない。

再統一から36年。西ドイツが勝者で、その勝者によって併合された東ドイツは敗者とも言える統一だった。そして、旧東ドイツ市民に苦痛を与え、自動車産業などの生産拠点は増えたものの、ホワイトカラーは移動しておらず、所得や資産形成、企業本社の集積、政治・経済エリートへの登用といった面で、旧西ドイツ地域との格差が残ったままだ。

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