今屋の客層は、子どもから年配まで幅広い。かつて食べた味を懐かしんで再訪する人もいれば、YouTubeなどで知って初めて訪れる外国人もいる。この日も、福岡を旅行中のアメリカ人夫婦や、三重県から来た母娘が列に並んでいた。
長年愛されてきた店でも、後継者がいなくて味が途絶えてしまうことがある。しかし、今屋のハンバーガーは西公園のこの店だけにとどまらず、全国、そして海外へと広がっている。そのきっかけは、コロナ禍で今崎さんが始めた弟子の受け入れだった。
「コロナが流行ったとき、小さな焼き鳥屋さんとか飲食店がどんどんつぶれよったやろ。やけど、ここは外やけん変わらず行列ができよったんよ。だから、うちで修業して、ハンバーガーの店をしてもらったらいいんやないかと思ったと」
テレビやSNSなどで紹介されると、「修業したい」という問い合わせが相次いだ。これまでに指導した弟子は14人。「ハンバーグやソースの作り方からウインナーの仕入れ先まで、1~2週間で何でも教えます」。
国内と海外にものれん分け
こうしてこの5年で福岡県内をはじめ、東京、群馬、静岡、高知、台湾などにのれん分けの店が次々と誕生している。「今屋の看板をあげるのは強制じゃなくて、別の名前でしてもどっちでもいいですよ」と、店名にこだわりはない。
遠方で店を開いた弟子から、相談の電話や「行列ができている」という報告が届く。「今日、台湾から来たお客さんが、台湾にある店も人気で並んどるって教えてくれた」。評判を聞くことが今崎さんの励みになっている。
この日、13時には全て売り切れて閉店。その後、長崎から若い夫婦が修業に来ていた。今崎さんはソースづくりのコツから玉ネギやキャベツの切り方、ハンバーグの焼き方まで、自ら手本を示しながら丁寧に教えていた。


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