「ダメ」と禁止されればされるほど、その行為に魅力が生まれます。これは、子どもが反抗的だからではなく、人間の心の自然な反応なのです。
ご相談を受けたあるお母さまのお話をご紹介します。
小学6年生の息子さんに、毎日「ゲームをやめなさい!」と叫び続けていたお母さまがいらっしゃいました。叫べば叫ぶほど、息子さんは反発し、ゲーム時間は増える一方。お母さまはもう疲れ果てていました。
私はこうお伝えしました。
「1週間、試しに何も言わないでみませんか?ゲームについては、一切口出ししないでください」
お母さまは驚かれました。「そんなことをしたら、もっとやるようになるに決まっています」「もっとやるようになったら、そのときまた考えましょう」
半信半疑のまま、お母さまは1週間、息子さんのゲーム時間について一切口出ししないことを決めました。ただし、口に出さないだけではありません。睨(にら)まない、ため息をつかない、ゲームについて直接触れなくても、「そろそろ時間じゃない?」など婉曲的なことを言わないことも含めてです。それらをやってしまうと、口出ししていることと同じことになってしまうからです。
さて、どうなったでしょうか?
心の中の「反作用」が消えると…
最初の2日間は、確かに息子さんのゲーム時間は増えました。3日目、4日目になると、横ばいに。そして5日目、6日目あたりから、少しずつ減り始めたのです。1週間の終わりには、むしろ以前より短くなっていました。
これは、禁止の圧力がなくなったことで、息子さんの心の中の「反作用」が消えたからです。押されなくなった壁は、押し返す必要がありません。
もちろん、「何も言わない」を永遠に続けるわけではありません。これはあくまで、一度ゼロに戻すための期間です。反作用がいったん消えた状態から、親子で改めて話し合うと、対話が驚くほど成立しやすくなるのです。「押さない」ことから、対話は始まります。



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