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ライフ #開業医がこっそり教える医療のリアル

「腫瘍は残り、脳幹が削られていた…」歴20年以上の40代医師がなぜ? 京大病院の事故に見る、医療という仕事の"2面性"

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京都大学医学部附属病院 京大病院
医療事故があった京都大学医学部附属病院(写真:東京スポーツ/アフロ)
  • 松永 正訓 医師・ノンフィクション作家
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なぜ、こんな医療ミスが起きたのだろうか。それは執刀医が「脂が乗り切っている」外科医だったからだと思う。つまり慣れによる慢心じゃないかな。

非常に残念な話であるが、ぼくも大学病院に在籍中に医療ミスというのを何回か見たことがある。そういうのはいずれも、未熟な若手によるものではなく、中堅からベテランに差し掛かる熟練の医師によるものだった。

医療ミスがあってもどうにかリカバリーがうまくいけば医療訴訟にならないが(ぼく自身もぼくの周辺でも経験がない)、取り返しがつかないケースでは訴訟はありうると思う。京都大学脳神経外科のケースは、どこから見ても弁明の余地がないので、この先は厳しい流れになるのではないか。

残った脳腫瘍のことを含め、患者に尽くすのが医師の責任

それから1点付け加えると、この手術では脳神経外科医は何人、手術に入っていたのかも気になる。というのは、ぼくの知る限り脳神経外科の手術って術者1人でやることが多い。成人の消化器外科とかぼくら小児外科では通常ないことだ。

1人の判断で手術をするって、やっぱり危ないと思う。複数の視点から手術を見ることで、手術の安全性が格段に上がるのではないだろうか。

ここからは推測だが、執刀した医師はもうメンタル的に立ち直れないと思う。しかし、残存している脳腫瘍をどうするかという点までを含めて患者に尽くすことが医師の責任である。難しいとは思うが、医療サイドは患者家族と密にコミュニケーションを取ってほしいと切に願う。

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