近年は動脈硬化を進ませる原因として「炎症」が大きくクロースアップされてきています。
炎症によって血管内皮に傷がつき、そこに活性酸素と結びついた悪玉コレステロールが入り込んで病気を進めてしまうのです。そして、その「炎症」の大きな供給元とされているのが腸。便秘などによって腸内で炎症が発生し、その炎症物質が血流とともに全身に回って悪さを働いているわけです。
ですから、動脈硬化はもちろん、動脈硬化によって発生する心筋梗塞や脳卒中も、元の原因をたどれば腸の炎症に行き着くということになります。
便秘などによって腸内環境が乱れてくると、毒素や有害物質、炎症物質だけでなく、活性酸素も大量に発生することになります。実は、体内でいちばん活性酸素が発生している場所は腸内なのです。腸内で発生した活性酸素は血中に吸収されて全身にばらまかれ、体中の細胞に悪影響をもたらすことになります。
活性酸素は細胞老化を進ませる物質として知られていますが、細胞老化が進むと分裂時にミスコピーが発生しやすくなり、これががん細胞を生む大きな原因となっていくのです。また、大腸がんは日本人に急速に増えているがんですが、これも便秘などによる腸内環境の乱れが最大の原因とされています。
「リーキーガット症候群」を知っていますか?
腸は免疫の最前線基地。腸管は口から肛門までつながる空洞のパイプのようなものであり、常にウイルスや病原菌などの体内侵入の危険にさらされています。
だから、侵入を許さないように防備を固めておかなくてはなりません。ところが、便秘などによって腸内環境が乱れてくると、腸の免疫力もてきめんに落ちて、ウイルスなどの侵入を許してしまいやすくなります。その結果、感染症やアレルギーなどさまざまな病気にかかりやすくなるのです。
とりわけ近年は、「リーキーガット症候群」と呼ばれる「腸粘膜の細胞がダメージを受けてゆるんでしまう病態」を訴える人が増えています。これが起こると、ゆるんだ腸粘膜からウイルス、病原菌、毒素などさまざまな有害物質が血液中に侵入してしまい、さまざまな不調や病気が引き起こされることになります。食物アレルギー、ぜんそく、アトピー性皮膚炎、花粉症などのアレルギー疾患や、関節リウマチなどの自己免疫疾患も、このリーキーガット症候群とのつながりがたいへん深いとされているのです。


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