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「この子も役者のはしくれだから、全部見せるの」…樹木希林が最期の1カ月に浅田美代子へ託した、"生きざまと死にざま"

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浅田美代子さんと樹木希林さん
浅田さん、希林さんの2人でバリ島へ旅行したときのお気に入りの一枚。「格安キャンペーンの航空券を希林さんが手配してくれて7万円くらいで行けました」(浅田さん)(写真:HALMEK up提供)
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次第に衰弱して声が出なくなったある日、医師が処置を行うため、浅田さんに病室から出るよう告げると、希林さんは筆談で「美代ちゃんはここにいて。この子も役者のはしくれだから、全部見せるの」と伝えたといいます。

「ひえーと動転しましたが、希林さんは身をもって、最期に向かうまでの生きざま、死にざまを見せてくれようとしていました」

昔から自分の家で死にたいと希望していた希林さんは「そろそろ退院する」と自ら医師に伝え、自宅療養できる環境を整えて退院。その日の夜中に息を引きとりました。

「たぶん自分の死にどきをわかっていたのでしょうね。生き方も老い方も死に方も全部、自分で選んで決めた希林さんは、見事でした」

浅田さんの心に残る、樹木希林さんの教え

不必要な物をたくさん持っていると、病気になっちゃうよ

「物への執着が捨て切れない私に『美代ちゃん、知ってる? 癌っていう字は、病だれの中に品の山って書くのよ。こんなに物を持っていたら、病気になっちゃうよ』と希林さんはいつも言っていました」

人として普通に生きていることが大事

「出会った頃からずっと言われていたのが『人として普通でいなさい』ということ。希林さん自身も特別扱いを嫌がり、一人で車を運転し、電車やバスに乗り、普通の生活を大切にしていました」

年を取ること、変化することを面白がらなきゃ

「『人間って年とともに変化していくから面白い。50歳を過ぎたら50歳を過ぎたなりの、60歳を過ぎたら60歳を過ぎたなりの、いい意味での人間の美しさがある』が希林さんの持論。私も老いるのはそう悪くないと思えるようになりました」

浅田美代子さんのプロフィール
あさだ・みよこ 1956(昭和31)年、東京都生まれ。73年ドラマ「時間ですよ」でデビュー。劇中で歌った「赤い風船」で日本レコード大賞新人賞を受賞。その後も「寺内貫太郎一家」「釣りバカ日誌」など人気ドラマや映画に多数出演する他、「さんまのからくりTV」などバラエティ番組でも活躍。2019年には樹木希林企画による映画「エリカ38」に主演。21年映画「朝が来る」で日本映画批評家大賞助演女優賞を受賞。近年は、捨て犬、捨て猫、動物虐待防止など、さまざまな動物愛護団体への支援にも力を注ぐ。

(取材・文=五十嵐香奈(編集部) 撮影=中西裕人)

※この記事は雑誌「ハルメク」2021年12月号を再編集、掲載しています。
※HALMEK upの人気記事を再編集したものです。

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