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「活字離れ」でも「スマホのせい」でも「時間がない」でもない、読書が進まない日本人の"意外な理由"

6分で読める
読書
「どんな本でも、すべて理解しなければならない」と考えると、「読書のハードル」が上がってしまいます(写真:ノンタン/PIXTA)
  • 市野瀬 早織 元渋谷教育学園渋谷中学高等学校 国語科専任教諭 市野瀬教育研究所 所長
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では、知らない分野について、もっと深く理解したいときはどうすればよいのでしょうか。

私がすすめているのは「ガイド本3冊同時読み」という方法です。

自分がよく知らない分野について勉強するとき、まず、その分野について比較的読みやすい入門書を何冊か用意します。

1冊目を読むと、知らない言葉がたくさん出てくるでしょう。わからない部分が残っていても、そこで止まりすぎず、まずは読み進めます。

そして2冊目を読んでみる。

すると、1冊目ではよくわからなかった概念が、別の著者によって違う言葉で説明されていることがあります。「ああ、そういう意味だったのか」と腑に落ちることもあるでしょう。

さらに3冊目を読むと、また同じ言葉や考え方が出てくる。

そこで初めて、「この話はどの本にも出てくる。ここがこの分野の重要なポイントなのだな」と見えてくることがあります。

これは、1冊を適当に読めばよいという話ではありません。むしろ、1冊だけでは見えなかったものを、複数の本を通して立体的に理解していく読み方です。

1冊目で30%しかわからなかったことが、2冊目を読むことで50%になり、3冊目を読むことで70%まで理解できる。

そんなふうに、理解は1冊の中だけで完成させなくてもよいのです。

「思い込み」を手放すと、読書はもっと軽やかになる

わからないまま次へ進んでもいい。別の本を読んでから、また戻ってきてもいい。1冊の本を完璧に「攻略する」ことにこだわらず、いろいろな本を通して、自分の中に少しずつ知識の地図を広げていけばいいのです。

本を読むとき、「全部理解できたかどうか」ばかりを気にしていると、わからない部分が出てくるたびに、読書は苦しい作業になっていきます。

しかし、本来、読書は「知らないことに出会うためのもの」でもあります。

知らない言葉がある。わからない部分がある。だから、別の本を読みたくなる。そして、別々の本で得た知識が、あるとき自分の中でつながっていく。

読書によって知識を増やしていくとは、そういうことではないでしょうか。

読書を難しくしていたのは、「活字離れ」でも「時間がない」でもなく、自分自身がつくった「読書はこうあるべき」という思い込みだったのかもしれません。

「最初から最後まで読まなければ」「1冊ですべて理解しなければ」。そんな思い込みを少し手放すだけで、本を読むことは今よりずっと軽やかなものになるのです。

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