IPAのウェブサイトでは、ラベルを取得した製品と「有効期間」が確認できる。たとえばパナソニックの国内向けルームエアコンは2027年7月13日、三菱電機の霧ヶ峰(無線LAN内蔵機種)は2028年6月4日となっている。
ラベルによって安心感が得られるとはいえ、課題もある。JC-STARラベルの有効期間中は、メーカーにセキュリティ上の不具合を直すアップデートの提供が義務づけられている。しかしラベルの有効期間は原則2年間と短い。
もっとも、ラベルは延長可能であり、メーカーも対応を行うことが予想される。たとえばIPAが公開しているパナソニックの対象エアコンの資料には、セキュリティサポートについて「未定だが、適合ラベル交付日より2年間以上を保証」と記されている。
しかし、いつまで保証されるかわからない家電を購入するには、心理的に抵抗感を持つユーザーもいるだろう。さらにもう一つの課題は、家電製品の使用期間にある。
平均で13年使われる日本の家電
日本人は家電を長く利用する傾向がある。内閣府が2026年3月に実施した消費動向調査によれば、買い替える前の家電の平均利用期間は、ルームエアコンが「13.4年」、冷蔵庫が「13.1年」だった。この数字にはネット接続機能のない従来型の家電も含まれるが、日本で家電が長期間使われる傾向を示している。
長く使う家電だが、これまでもその「寿命」に関する表示や慣行があった。エアコンには製造年と、安全に使える目安である「設計上の標準使用期間」の表示が法律で義務づけられている(長期使用製品安全表示制度)。また修理用の部品も、多くのメーカーが製造終了から10年程度保有している。
このように、消費者は物理的な安全と修理について、その年数を知ることができる。ところがネット家電の「セキュリティの寿命」については、上述のように企業の対応も今のところ不透明な部分がある。
更新が止まった家電は、新たに見つかった弱点を抱えたままネットにつながり続ける。2016年には「Mirai」と呼ばれる不正プログラムが、防犯カメラやルーターといった大量のIoT機器を乗っ取り、大規模なサイバー攻撃の踏み台にしたことで問題となった。家庭用の機器が乗っ取られ、犯罪の踏み台に使われた事例は国内でも報告されている。したがって、被害を受けるのは家電の持ち主だけでなく、そこを踏み台に攻撃を受ける企業や社会全体にも及ぶ。AIを使えば、更新の終わった機器を探し出して一斉に攻撃することも、今後ますます容易になるだろう。


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