では、企業はどこまでIoT家電のセキュリティ対策を行うべきなのか。平均利用期間の13年間の保証を明記するには、メーカーの費用負担は大きい。とはいえ短い年数を書けば、「長く使える日本の家電」というイメージとの落差が目に見えてしまうこともあり、企業にとっては判断が難しいところだろう。JC-STARは任意の制度である以上、あえて終了時期を明示せず「未定」とし、ユーザーや市場の反応を待っているのかもしれない。
ちなみに海外では、イギリスが2024年4月から、セキュリティ更新を提供する期間を終了日とともに公表するよう法律でメーカーに義務づけている。またEUも2027年12月から、原則5年以上、製品の想定使用期間に見合ったサポートを求める。対象製品など、細かくみれば詳細は異なるものの、欧州は日本よりも明確な基準が設定されている。
とはいえ、どこまでサポートを継続するかは日本に限らず、IoT製品を扱う企業にとって、大きな課題となっている。特に白物家電など、これまでネットにつなげることを想定していなかった製品を扱う企業は、ユーザーの想定使用期間などを含めて、対応を検討すべきであろう。
ユーザーができる対策
では最後に、ユーザーが気をつけるべき点を挙げておきたい。
①まずはJC-STARラベルの有無と有効期間を確かめることだ。ラベルのある製品は、少なくともその期間は脆弱性に対応するとメーカーが約束している。その上で、長く使う場合は定期的にメーカーの対応を調べる必要がある。
②次にネット機能を使い続けるのであれば、家庭のWi-Fiルーターについても、推測されにくいパスワードの設定や、ファームウェアの更新状況を確認しておきたい。家電以前に、ルーターを攻撃されては元も子もない。
③最後に、更新が止まっても家電を利用したいなら、無線LANにつながないという選択肢もある。ネット接続機能を使わなければ乗っ取られるリスクは大きく下がるからだ。
長期間利用する家電製品の購入時期をすべて把握している読者は多くないだろう。少なくとも、今把握できるものはリストアップし、更新情報を定期的に確認するなど、各自で対応を検討してほしい。ネットにつながる家電は、買った時点で「何年後にネットから切り離すか」まで考えて使う時代になりつつある。




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