「マイケル・ジャクソンの映像を何時間も見て研究したよ。長いリハーサルの後、帰宅してからも自分で練習した。子供時代のマイケルの動きは、20代や30代のものとは違う。動きがゆっくりめで、回転や、リズムに合わせてピタッと止まるというのもやっていなかった。そこは少し楽だったかも」(ヴァルディ)
現在12歳のヴァルディが会場の投票者から大拍手を受け、マイケルの母親役のニア・ロングからも賞賛されたが、フークア監督は「いや、彼は、まあまあ良い程度だったよ」と茶々を入れる。ロングから「なぜそんな否定的なことを」と言わんばかりの驚きの目を向けられると、フークア監督は「もちろん冗談さ」と、こう言い訳をした。
「最初に出演した映画が10億ドルの大ヒットになったんだよ。謙虚でいてもらいたいから」
たしかに、「早くからつけあがるな」と制するのは、ある意味、親心と言える。アカデミー賞にはないが、子役部門や新人俳優部門をもつ主要なアワードはいくつかあり、今後、マイケルを演じた2人はまだまだ絶賛を受けていくはずだからだ。それらの部門において、ノミネートや受賞の可能性は十分にある。
予想トップ10圏外からの巻き返しはあるか
それ以外の主要部門に関して、今のところ、この映画はアワード専門家が予想するトップ10圏内に入っていない。しかし、アワードキャンペーンが本格化するのはこれから。アカデミーとしては、視聴率アップへの期待が持てることから、通好みのアート系作品だけでなく、大衆に支持された大ヒット作がノミネーションに入ってくるのは大歓迎のはずだ。
そんな中でも、キングとフークア、ジャファーは現在、続編の製作準備を進めている。より大事なのは続編を良いものにし、タイムリーに公開することだが、賞レースでの盛り上がりは続編に勢いをつける上でもプラスとなりえる。
だが、これから何が起きようとも、その渦中にいるジャファーは、これまでに起きたことをポジティブに受け止めているようだ。
「世界中の人たちが、祖父母や孫を連れて見にきてくれ、この映画とマイケルに愛を表現してくれた。そのことが本当にうれしい。これは人生で与えてもらった最大の贈り物。マイケルもきっと誇りに思ってくれていると思うよ」(ジャファー)


※ログイン後、コメント入力が可能です。