今回の事故は、自動車販売会社の販売促進活動で起きた。同販売会社にはブランドへの好感度を高め、将来の顧客につなげる狙いもあっただろう。しかし、子どもは企業の販売促進のために危険を引き受ける存在ではない。大手メーカー系列の販売会社が主催するからこそ、保護者は安全への信頼を寄せていたはずだ。
そもそも子どもに自動車の魅力を伝えるために、本格的なカートを運転させる必要があったのか。仮に実施するなら、速度制限やコース設計、観客との隔離、防護設備、緊急停止措置を厳格に整えるべきだった。
大人の責任を、子どもの操作ミスで曖昧にしてはならない
初公判後、亡くなった男児の母親は、イベントを企画した側が責任を負うのは大人としての責務だという趣旨の発言をした。この言葉は事故の本質を突いている。
子ども向けのマーケティング活動としてのイベントで、なぜ幼い命を守れなかったのか。この事故では、遺族らが主催会社などを相手に約1億3000万円の損害賠償を求める民事訴訟も起こしている。主催者などの民事責任、被告の刑事責任とともに、子ども向けイベントにおける安全管理のあり方を厳しく問い直す必要がある。


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