歌舞伎町といえば、多くの人が思い浮かべる「劇場通り一番街」ですが、この新宿通りに面した歌舞伎町1丁目は、長らく「ロケ禁止エリア」として知られていました。
60〜70年前から警視庁新宿署が「撮影行為はやめてほしい」と強く要請しており、地元住民からも「撮影はわずらわしい」「トラブルのもとになる」という声が根強かったからです。
映像制作陣にとって歌舞伎町は、「いつかネオンの光る街で映画を撮ってみたい」という憧れの対象でした。
「ロケ解禁」の転機となった『いぬやしき』
そこで制作業界や東京ロケーションボックスが粘り強く対話を重ねて地元の名士の心を動かし、さらに国やジャパン・フィルムコミッションといった組織も動き出すなど、官民が一体となって地道に撮影受け入れのための地盤を整えていったのです。
転機となったのは、映画『いぬやしき』(18年)のモブシーン(大勢の群集が登場するシーン)撮影です。
このときは新宿区役所と連携し、社会実験として「劇場通り一番街」を数十分程度封鎖。このロケの成功が、その後の「歌舞伎町ロケ」の先駆けとなり、風穴を開けた作品と言えます。
その後、中国映画『唐人街探偵 東京MISSION』(21年)では、現在のシネシティ広場に「新宿駅」という設定で大規模な階段のセットが作られ、広場からカートに飛び乗って逃げるシーンが撮影されました。また、エンディングシーンでは広場での大規模なダンスシーンも撮影されています。


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