その中で永野は、わざと上の世代の大物司会者の名前を出して、横暴に振る舞ってみせた。田村アナの肩を抱いたのも、「大物司会者ぶる」というパフォーマンスの一環であると考えられる。
しかし、視聴者にはそんな永野の意図が伝わらなかった。女性に対して身体的接触をするという行為は、たとえ冗談のつもりであっても、見る人に嫌悪感を与えてしまうことがある。皮肉のつもりでやったことが、単に問題のある行為をそのまま再現したように受け取られてしまったのだ。
本番中に永野がスタッフに怒られていたのではないかという件に関しても、真相はわからない。本当に怒られていたかどうかは定かではないし、注意を受けた原因が田村アナへの身体的接触だったとは限らない。紳助の名前を出したことや番組の進行を妨げたことに対して警告を受けた可能性もある。永野が注意されたからといって、彼が倫理的に悪いことをしたと言い切れるわけではない。
前述のとおり、もともと永野はスタッフの意図をくんで、あえて大物のように振る舞い、暴走をしていた可能性が高い。問題は、その中で行き過ぎた部分があったということだ。制作者の期待に応えて場を盛り上げて、笑いを生み出そうとしたこと自体は、頭ごなしに否定するようなことではない。
権威を笑い飛ばすための"皮肉”が伝わらなかった
今回の騒動が示したのは、権威を笑い飛ばすための皮肉であっても、その意図が伝わらなければ、批判の対象と同じようなものとして受け取られてしまうという、それ自体が「皮肉」な現実だったのだ。


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