健闘しているのが『南田南弁護士は天才肌』。数字的にもSNSの話題性としても好調な出足になった。
本作は、自閉スペクトラム症の新人弁護士が社会のさまざまな壁にぶつかりながら難題に挑み、人とは異なる独自の視点とひらめきを武器に周囲を巻き込み、弁護士としても1人の人間としても成長していく法廷ドラマだ。
世界的ヒットになった人気韓国ドラマ『ウ・ヨンウ弁護士は天才肌』のリメイクだが、一時期の韓国ドラマブームが過ぎ去った昨今において、主な視聴者は韓ドラ好きのコア層だろう。そんななか、今回の好スタートには、国民的人気俳優・芦田愛菜の好演と、もともとの物語の機微をうまく日本版に落とし込んでいるところがポイントになりそうだ。
笑いも感動もカタルシスもあるドラマであり、幅広い世代に響くポテンシャルがある。これから話題がより高まっていくかもしれない。
期待が高かった『ポリティカルパン』
一方、期待値は高かったが、いまのところ数字も世間的な盛り上がりも微妙な感があるのが『ポリティカルパン』だ。
不運なのは、4月期ドラマ『銀河の一票』(カンテレ・フジテレビ系)と第1話の内容がかなりかぶっており、新鮮味が薄かったこと。しかし、同作が全話を通して選挙戦を描いたのに対して、『ポリティカルパン』は第2話で選挙が終わり、第3話からは議員活動に物語の舞台が移った。
ここまでの物語進行のスピード感はとても見やすく引きつけられる。ただ、第3話のSNSの誹謗中傷を巡るストーリーはやはり既視感があり、そこに新しい何かは感じなかった。それでも毎話のポイントごとに石原さとみ演じる大泥棒の犯罪行為が事態を展開させるのは、政治ドラマとしては異色であり、パンチが効いていておもしろい。
政治を巡るドラマのエピソードは、これまでにさまざまな題材がほぼ描かれ尽くされている印象がある。そんなカテゴリで、社会派もコメディも巧みに操る希代のストーリーテラー・野木亜紀子氏と国民的スター・石原さとみのタッグがどのような新規性を打ち出すのか。


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