動物の病理検査機関はイヌとネコが中心で、ペンギンの病理診断を行うことはほとんどありません。慣れていなければ、その組織標本を観察していても、鳥マラリアという可能性そのものが頭に浮かばないかもしれません。
病理診断では、予断を排し、さまざまな可能性を考えながら、目の前の所見を積み重ねて死因を絞り込んでいきます。ただ、それを正しく行うためには、その病気(によって生じる病変)についての知識や診断の経験が不可欠です。
珍しい動物を病理診断する理由
鳥マラリアに限らず、珍しい動物の病気には、まだ十分に研究されておらず、症例や知識が共有されていないものが多数あります。大半がそうだと言ってもよいでしょう。
だからこそぼくは、どんな動物であっても病理診断の依頼があれば可能な限り引き受け、そこで得た知見を記録し、発信しています。
そうして、飼育現場や獣医師が病気を判断するための知識を業界内に増やしていくことも、獣医病理医の役割の1つだと考えています。今回の記事も、ペンギンの飼育現場で鳥マラリアが改めて意識され、予防や早期発見につなげるきっかけになればうれしいですね。


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