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下請け・女性・高齢者・障害者を短絡的に「弱者」扱いしていいのか?…必要なのは「弱者」にしない対策

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車椅子に座る高齢者
「弱者」とはいったい何なのだろうか(写真:Ushico/PIXTA)
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先述したように、行政から“もっともかわいそうな”弱者とみなされている障害者については、企業に一定割合の雇用義務が課せられている。その割合は年々引き上げられているものの、果たして本当に当事者のためになっているのかどうか検討の余地があると著者は指摘している。

状況によって変わる「立場的弱者」

人間同士あるいは組織同士で取引をする場合、弱者が生まれることがある。それは、雇う側と雇われる側、貸す側と借りる側、売る側と買う側などに相当するもので、状況によってどちらかが弱者となる。(『「弱者」の経済学』6〜7ページより)

企業と社員の関係性について考えてみよう。業績の悪くなった企業が社員をリストラしたとすれば、企業の経営は改善するかもしれない。しかしその一方で解雇された社員は失業し、収入の道を絶たれる。

銀行と企業間の資金の貸借では、金融危機の際に銀行が資金回収のため企業への貸し出しを引き揚げる“貸し剥がし”が問題化したことがある。銀行からの融資が受けられなくなれば、企業の経営は立ちゆかなくなる可能性がある。それは、家主と賃借人の関係にしても同じ。たとえばアパートをマンションに建て替えるために賃貸契約を打ち切れば、賃借人は住む場所を失ってしまう。

親事業者と下請事業者の場合であれば、利益を出したい親事業者が下請に対して購入する部品等の価格を下げるように要求することもある。値下げに応じないと取引を停止すると脅されれば、要求を飲まざるを得なくなるに違いない。

ただ、こうした強者と弱者の関係は、状況が変われば逆転することもある。労働市場を考えてみても、バブル崩壊やリーマンショックなどの経済ショックが起きたときは、就職氷河期などと称される買手市場となって企業サイドが優位に立つだろう。他方、現在の日本では少子化の影響で、若年層の労働力不足による売手市場の状況にあり、企業は若手の人材確保に躍起になっている。(『「弱者」の経済学』7ページより)

金融市場や不動産市場においても同じだ。常に貸し手が優位に立っているわけではなく、不況時には優良な貸出先が見つからず、経営が立ちゆかなくなることもあるからだ。日本でも、オイルショック後の不動産不況やバブル崩壊後の金融機関の統廃合などがそれにあたる。

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