洗濯だけではない。配送車も自分たちで運転し、実際に園を回りながら効率のいいルートを探した。どこに車を停められるのか、荷物の受け渡しに何分かかるのか。一つひとつ確かめていった。
服の調達でも試行錯誤が続いた。子ども服メーカーに任せるだけでは、利用しやすい価格にはならない。そこで中国の縫製工場まで足を運び、余っていた生地なども活用しながら、品質を保ちつつ価格を抑えられる調達ルートをつくった。
「登園準備も教育だ」保育園からの思わぬ反発
事業化の壁は、コストだけではなかった。一部の保育園からは、「登園準備そのものにも教育的な意味がある」という声も上がったのだ。
「自分で着替えを家で準備し、自分で荷物を運び、着替えた服を自分でバッグに入れる。そういうこと自体が、小学校に入る前の教育だ、と言われることもありました」
ナカラルでは、子ども同士で「人気の服」の取り合いにならないよう、Tシャツなどシンプルな服を中心にしている。一方、園からは「ボタンを留める練習をさせたいので、前にボタンが付いた服も必要だ」という声が上がった。
「マイナスなことを考えれば、いくらでも出てくるんです。保育園は福祉の世界でもあるので、非常に保守的です。園長先生や経営者の方々のマインドを変えていくところが、一番大変なポイントの一つでした」
口コミを待っているだけでは、顧客は増えない。関原さんたちは営業メールや電話、FAXで一園ずつ接点をつくり、興味を示した園には直接足を運んだ。
ただし、導入してくれるなら、どんな園でもよかったわけではない。テストマーケティングを通じて、関原さんたちは「らくらく登園」が保護者だけでなく、保育士の負担軽減にもつながることを知っていた。
だからこそ、保育の現場をないがしろにし、園児募集のためだけにサービスを使われることには抵抗があった。保護者と保育士、双方の負担を減らすという考え方を理解してくれる園との契約を重視した。


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