その考えは、料金の負担方法にも表れている。ナカラルでは、保護者だけに利用料を負担してもらうのではなく、園側にも負担してもらうケースが多い。園によっては運営側が利用料の半額以上を負担し、保護者が1000円台で利用できている例もある。
「保育園着のサブスク」を他社がまねできない理由
現在、「らくらく登園」は首都圏を中心に約160施設で導入され、利用者は約7000人に上る。
これだけ拡大した背景にあるのが、他社のおむつのサブスクリプションサービスだった。保育園でおむつサブスクが広がり、園の担当者が関連サービスを調べるなかで、「らくらく登園」にたどり着くケースが増えた。
さらに、利用者がテレビ局へサービスの情報を寄せたことなどをきっかけに、母親世代にも認知が広がっていったという。
一方、導入のハードルは今も残る。
「一番大きいのは、使ってみないと良さが分からないことです。でも、使ってみることのハードルも高いんですよね」
ネット上で申し込めば、その日から使えるサービスではない。保護者に仕組みを説明し、使い方を周知する。園内では服の置き場所なども決めなければならず、導入時にはナカラル側も現場に入り込む必要がある。
こうした手間を伴うこともあり、同様のサービスに参入する企業は現れたものの、撤退した企業もあったという。
「共同代表の今井とは、『ここまでやる変な人はいないよね』と話しています」
そう笑う関原さん。「朝の登園準備のひと手間を減らす」。言葉にすればシンプルだが、その負担を減らすには、それまで家庭や保育現場が担っていた細かな作業を、誰かが引き受けなければならない。
ナカラルは、洗濯や配送、服の調達など、効率だけを考えれば避けたくなる領域まで愚直に取り組んだからこそ、他社が簡単にはまねできないサービスになったともいえる。
そして、その積み重ねが生み出したものは、単なる「時短」だけではなかった。サービスを利用する子どもたちにも、関原さんたちが当初想定していなかった思わぬ反応が見られたのだ。


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