また、泥遊びや絵の具遊びで服が汚れると、保護者から「こんなに汚れるとは思わなかった」と言われることもある。そのため、泥遊びや絵の具遊びの前に保護者へ知らせる園もあるが、サブスクなら、汚れを前提にできる。保育士の休憩時間が増え、本来の保育に時間を使えるようになった園もあった。
テストマーケティングで手応えを得た関原さんは、20年9月に銀行を退職し、同年10月、今井さんとナカラル株式会社を設立。21年4月、「らくらく登園」を本格的にスタートさせる。
起業することへの不安もあった。当時35歳。銀行では年収は約1300万円あったという。
「1、2年やって失敗したら37歳。そこからどこかに就職できるのか、という思いはありました」
「地獄の一丁目」洗濯も配送も自分たちで始めた理由
関原さんにも今井さんにも、保育や衣料品、クリーニング、物流の経験はなかった。どんな服を何着用意し、どう洗い、どう届けるのか。その仕組みを一から考える必要があった。
当初は、服の製造から洗濯、配送まで外部業者へ委託する計画だった。ところが見積もりを積み上げると、想定していた利用料金の数倍に膨らんだ。
「そこから自前でやらなきゃいけないというところに踏み切ったんです。でもここからが地獄の一丁目でした」
クリーニング所を開くには、必要な資格の取得や保健所への届け出、物件探し、設備の導入などを一から進めなければならなかった。なかでも手探りだったのが、洗濯だった。泥やインク、食べこぼし、調味料など、保育園児の服にはさまざまな汚れが付く。
「どうやったら保育園で付く汚れが一番落ちるのか。理科の実験みたいに、ずっと研究していました」


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