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キャリア・教育

「全部英語」「学部決めずに入学」 東大・東北大の"新入試"のウラに透ける旧帝大の焦燥…2校が同時に動いた納得の理由

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東大
東京大学と東北大学が始める革新的な新入試。その中身とは?(写真:yu_photo/PIXTA)
  • 西岡 壱誠 一般財団法人ドラゴン桜財団代表理事・ドラゴン桜2編集担当
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さらに、課題1の「あなたの地域」という言葉には、大学の明確な意図が読み取れます。東京の進学校に通い、地域との接点が薄い生徒には書きにくいテーマです。

首都圏の生徒の有利さを薄める

一方で、地方で祭りや農業、過疎の問題に関わってきた生徒なら、自分の経験をそのまま書けます。初年次は全員が寮に入り、奨学金も用意されています。実家から通える首都圏の生徒の有利さを薄め、日本中・世界中から多様な学生を集めたいという設計だと私は見ています。これは、出身地域や家庭環境を考慮して評価する、海外大学の「コンテクスト評価」と同じ発想です。

東北大ゲートウェイカレッジ――学部を決めずに入る「総合格闘技」

次に東北大学です。ゲートウェイカレッジの最大の特徴は、入学時に学部が決まっていないことです。1・2年次は文系・理系を問わず幅広く学び、人文・社会科学系は3年次、理系は4年次に所属学部が決まります。日本人と留学生の比率は1対1、授業は原則英語で、1年次は国際混住寮で生活します。

4月入学(Ⅰ期)の定員は88名で、文系17名・理系71名と理系が多くなっています。ただし、入試の区分で進路が自動的に決まるわけではなく、文系区分で入っても理系の学部に進むことができ、その逆も可能です。

入試はすべて総合型選抜で、共通テストは課しません。出願には学習成績概評A(評定平均4.3以上)が必要で、合格したら必ず入学することが条件です。

一方、英語資格は出願の必須要件ではなく、CEFRのB2(英検準1級程度)以上が「望ましい」とされているだけです。英検1級を出願資格にしても、東北大なら受験生は集まるでしょう。あえてそうしないのは、今の英語力よりも、入学後に英語で議論しながら伸びていける力を見たいからだと自分は考えています。

面白いのは第1次選考の筆記試験(400点)です。文系であっても「数理的思考力」が問われ、「英文読解力」に加えて「論理的思考力・独創性・表現力」を測る試験があります。理系は数理的思考力、自然科学の基礎的理解と論理的思考力、英文読解力の3つです。第2次選考の面接(200点)は一部英語で行われることがあります。出願書類では、探究活動やコンテスト、留学などの活動実績を最大5件まで記載できます。

まだ過去問がないため予想になりますが、公式の暗記で解く問題ではなく、「標高の高い球場ではなぜホームランが増えるのかを数理的に説明せよ」「大型バスにテニスボールは何個入るか」といった、コンサルティング会社の採用試験で出るような思考型の問題になるのではないかと見ています。学力は問うけれど、それは「記憶した量」ではなく「使える学力」だ、というメッセージです。

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