まず東大から見ていきます。カレッジ・オブ・デザインは学部4年と修士1年を合わせた5年一貫の課程で、定員は100名です。秋入学で、授業はすべて英語で行われます。このために、27年度から一般選抜の定員が合計100人減らされることも話題になりました。
出願方法は2つあります。「Route A」は大学入学共通テストで東大が指定する科目を受け、おおむね8割以上を目安とするルートです。「Route B」は国際バカロレア(IB)やSAT、Aレベルといった国際的な統一試験の成績で出願するルートです。定員はそれぞれ50名で、国籍による区別はありません。
日本の高校に通う生徒の多くはRoute Aを、インターナショナルスクールや海外の高校の生徒はRoute Bを選ぶことになるでしょう。どちらのルートでも英語資格の提出が必要ですが、目安はIELTS Academic 6.0超、英検準1級または1級のCSEスコア2400超などで、東大の一般入試で求められる英語力と比較すると決して高くありません。
短文で本質を書かせるエッセイのテーマに注目
選考の中心は、英語のエッセイ2本、英語のビデオ課題、高校教員による評価書、そして面接です。今回の要項で特に注目したいのが、エッセイのテーマです。
課題1は「あなたの地域で、あなたが情熱を感じているものについて書き、それがなぜ自分にとって意味があるのかを振り返ってください」(300語)。課題2は「誰に言われたわけでもなく、自分から行動を起こしたことについて教えてください」(50語)です。
驚いたのは、どちらの問いにも「大学」「学部」という言葉が一度も出てこないことです。日本の推薦入試の志望理由書は、「なぜこの大学、この学部なのか」を問うのが一般的です。主語は大学です。入学後に学部を変えるのが難しい日本の制度では、それが自然でした。
一方、東大の問いの主語は「あなた」です。あなたはどんな人で、何に心を動かされてきたのか。これはアメリカの共通出願システム「コモンアプリ」のエッセイとほぼ同じ構造です。
300語は日本語にすると600〜800字ほどです。短い文字数で本質を書かせるのは、一般入試の頃からの東大らしさともいえます。日頃から自分の頭で考えている生徒ならその場でも書けますが、飾り立てて「盛る」余地はほとんどありません。
ビデオ課題の設計も徹底しています。課題の詳細が通知されるのは11月6日で、録画と提出は11月13日から16日までの間に出願システム上で行います。事前に撮影した動画のアップロードは認められていません。
要項には「出願者自身の声に関心がある」というAIに関する注意書きもあります。教員の評価書も、先生が東大の出願システムに直接入力しない限り、生徒は出願を完了できません。生成AIや「作り込まれた書類」への対策が、制度の隅々にまで組み込まれています。


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