Duoを評価するうえで、もう一つ大きいのがアプリの対応状況だ。
レビュー期間中に使った範囲では、多くのアプリがiPhone向けの画面を拡大表示して対応していた。初期のiPadで、iPhone向けアプリを拡大して使ったときに似た感覚である。
2010年に登場したiPadも、既存のiPhoneアプリが動くことと、大画面向けに設計されたアプリの両方を用意していた。使い慣れたアプリを引き継げる安心感と、新しい画面を使い切る体験。その両方がそろってこそ、形の変化が日常の変化になる。
電子書籍では、KindleアプリのDuoへの対応が、試用中にはまだ整っていなかった。これはあくまでレビュー時点の評価であり、今後のアップデートで変わりうる。ただ、大きな画面で何を楽しみたいかが決まっている人ほど、そのアプリの現在の表示や操作を確認しておく意味は大きい。
期待したいのは、画面の広さに応じた作業の組み立て直しだ。メールなら、左側に相手から届いた文章、右側に返信を書く画面が自然に現れる。Safariなら、2つのページを並べて比較できる。こうした操作が迷わずできれば、画面を開く理由はさらに増える。
ここで挙げたのは、筆者が使いながら求めた操作だ。2つのアプリを並べることに加え、一つのアプリの中でも、読む、比べる、書くという行為に合わせて画面を使い分けられるようにしてほしい。
この点でDuoは、iPhoneの強みがどこにあったかを改めて示している。アプリが充実し、それぞれが日常の用事を気持ちよくこなせることだ。画面が広がれば、その広さを何に使うかというソフトウェア側の工夫が、いっそう重要になる。
「開いて何をしたいか」が選ぶ基準
36万円超という価格を考えれば、Duoを選ぶ理由は具体的に持っておきたい。文章を書く時間が長く、両手で入力することに抵抗がない人。複数のアプリを見比べながら作業する人。そうした使い方をする人には、本稿の体験が判断材料になるだろう。
軽さを優先する人や、短い確認と返信が中心の人は、開いたときに増える価値と、毎日持ち歩く厚みを天秤にかけたい。読書が主目的なら、愛用アプリの対応が進んでから判断するのも一つの手だ。
折りたたみという形には、あれこれ使い方を試したくなる楽しさがある。ただ、その楽しさを毎日の満足につなげるには、ポケットに入れ、認証し、いつものアプリを動かすところまで確かめる必要がある。
「開いて何をするのか」という問いに、筆者はもう答えができた。
縦長の画面に文章を表示し、両手の親指で書き続ける。その時間の中で、iPhone Duoは「手元で使い続けたい道具」に変わった。36万円超の価値は、「その画面で自分が何をしたいか」で決まる。


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