私自身、企業研修やコーチングの仕事で、これまで多くの受講生を送り出してきました。そして、その卒業生たちにポンポン抜かれていく経験をしています。
かつて、師匠からこんな言葉を教わりました。「真の教育者は、自分より成功する人間を生み出す」と。まだ誰にも抜かれていない頃は、かっこいいな、と思い、その言葉を誇らしげに使っていました。
「真の教育者として、僕はまだまだです。誰も超えてくれないから」と、どこか余裕をもって言っていたんです。でも実際に抜かれはじめると、素直に受け入れられないモヤモヤした気持ちが湧いてきました。悔しいとか、うらやましいとか、そういう感情が混ざったような感じです。
森本:まだ誰にも抜かれていないのが、心地よかった節もありますね。
白石:安心していたんですね。でも感情を受け入れて、受講生たちが伸びる理由を観察できるようになってから、ありがたい比較対象になった。もう1回抜き返せるように、こちらも頑張らないとって。
「質問」は効果的なアプローチ
人と比べるときに、もう1つ意識してほしいことがあります。それは、目に見えるものだけでなく、目に見えないものを見抜くこと。ビジネスで結果を出している人ほど、この見えないものを汲み取って学んでいます。
表面的な言葉や行動をまねるのではなく、その人がどんな意図でその言葉を発したのか。どんな感覚でその判断をしたのか。そこにフォーカスしていくんです。
森本:ずっと観察していると、この人は、こういうときにはこうするっていうのが見えてきそうですね。
白石:それが見えてくると、その人と同じ言葉を使わなくても自分なりのアプローチができるようになります。
そして、見えないものを引き出すには質問が最も効果的です。「あなたの立場だったら、あの場面でどうしていましたか?」「今、絶対に起こしてはいけないことは何ですか?」「今、どんなことに注意して進めていますか?」……。


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