専門家の「欠点」を見抜いたアインシュタイン
素人が専門家を批判なんてして、いいんだろうか。
そう不安がる人には、アインシュタインの次の言葉を伝えたい。もちろん相対性理論の発見で知られる、あの有名な天才科学者である。
〈私は何も、いわゆる「教養のない人」の心を導けばそれでよいと主張しているのではありません。私の経験に照らしてみると、「教養のない人」よりも「知識人」と言われる人たちのほうが、暗示にかかりやすいと言えます。「知識人」こそ、大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすいのです(注1)。(1932年7月30日)〉
メディアでコメントする「専門家」の多くは、学者の肩書を持つ有識者だから、「知識人」は専門家と呼び換えてもかまわない。アインシュタイン自身はすでにこのとき、知識人として世界でトップの地位にあったが、しかし彼は専門家が「教養のない人」に知識を広めることで、世の中がよくなるとは考えなかった。
なぜだろうか。ポイントは「大衆操作による暗示にかかり、致命的な行動に走りやすい」にある。いま風にいうと、知識人でない庶民がTVやネットを見るように、当の専門家もTVやネットを見ている。そこで民意が興奮し沸騰するなら、どちらも同じように影響される。
違うのは、その先だ。アインシュタインは続けて言う。
〈彼ら〔知識人〕は現実を、生の現実を、自分の目と自分の耳で捉えないからです。紙の上の文字、それを頼りに複雑に練り上げられた現実を安直に捉えようとするのです。〉



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