この姿勢は最初から最後まで徹底されている。本作の物語は、主人公が付き合っている女性を妊娠させたという話から始まる。主人公は最初こそそれを受け入れられないが、そのうちに成長して受け入れる……という流れになっている。あまりにもくだらないクリシェ(ありふれた技法)だ。
しかしそれすら、「ありきたりなクリシェってマジでクソだよな」と言わんばかりの最後のジョークを描くために入れているのだ。とにかく、徹底的にアイロニーで満たされている。
結果として本作はホラーというよりギャグに近い。ホラー部分はすべてジャンプスケア(いきなり鳴る大きな音)で処理しているし、クリーチャーがグロテスクにやられていくのも怖さよりもおもしろさが勝る。
整合性よりも、ひたすらに“おもしろさ”を求めて皮肉やらジョークを入れまくる。原作とはあまり似ていないが、「オモロ」の精神に関してはかなり『バイオハザード』らしいといえるだろう。
この映画を受け入れられる『バイオハザード』シリーズのスゴさ
ただし皮肉めいたジョークということもあり、真面目に『バイオハザード』シリーズを楽しんでいる人は「バカにされている」と感じるかもしれないし、それはおそらく間違っていない。
かくいう筆者もヒヤヒヤする場面があった。それは、主人公がうまく銃を当てて「ビデオゲーム最高!」と叫ぶシーンだ。まるでビデオゲームの暴力的側面ばかりが取り上げられているようであり、いろいろと思うところがあるシーンだった。
ともあれ、映画『バイオハザード』は原作とかけ離れつつも、ゲーム版の持つ「オモロ」をうまくすくい取った作品といえる。これはなかなかどうしてすごく、『バイオハザード』シリーズくらいでしか成し得ないことだ。


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