「そうなんですね、ありがとうございます」と答えながら、風呂の中で知らない男性と話すという不思議な体験をしたことに、気まずいような、おかしいような落ち着かない気分になりました。
でも自分のその感覚がおもしろく、したことがない経験をする醍醐味ってこれだよなぁとも思いました。
一通り男湯を見たあとはまた女湯に戻り、ついに私たち2人だけとなった広い風呂を心ゆくまで堪能しました。
「1000人も入れるかな」
「1000人は無理かもね」
でも、十分広く風情たっぷりで、遠くからでもこの風呂に入るために来る価値がある温泉でした。
普段よりかなり長風呂をしてから部屋に戻り、一息ついたら小腹が減っていることに気づきました。
「遅い時間だけど、おやつ食べない?」
私がそそのかすと妹も「そうだね、食べよう」と乗ってきたので、お茶を淹れて、伊東の商店街の和菓子屋で買った豆大福ときんつばを食べることにしました。
「えっ、おいしい!」
豆大福を一口頬張った私が妹の顔を見ると、妹も頷きました。1個130円と120円という令和価格ではない安さであるにもかかわらず、柔らかくて上品な甘味で、飲むように食べてしまいました。もっと買っておけばよかった、と後悔したくらいです。
「明日帰る前に寄って、買い込みたい」と私が意気込むと、妹も「そうだね、そうしよう」とすぐさま同意し、「黒糖まんじゅうとか、気になるのがほかにもいろいろあったし」と言いました。
翌日は映えスポット「龍宮窟」へ
歯を磨いて並んで布団に入ったあと、博物館の感想など話し合う間もなく眠りにつきました。旅先では興奮してなかなか寝られないことも多いですが、この日は濃密だったせいか、すぐに意識がなくなりました。翌朝聞くと、妹もそうだったようです。
朝もう一度風呂に入ってから宿を出ると、ちょうど雨が降り出しましたが、私たちは当初の予定通り、まずは車で「龍宮窟(りゅうぐうくつ)」へ向かいました。有名な映えスポットのようですが、雨なので人が少ない可能性が高そうです。


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