ところが資さんうどんは、その日のうちに公式Xで事情を説明した。実際にはスタッフが飲んでいたのは酒ではなくお茶だったこと、その前には酒に酔った客とのトラブルがあり、警察が到着するまで対応に協力してくれた別の客から申し出があり乾杯したことなどを明らかにした。批判の前提そのものが間違っていることを、企業側がすぐに説明したのだ。
「資さんうどん」ほど積極的ではなかったしゃぶ葉の対応
同じすかいらーくグループでありながら、今回のしゃぶ葉では対応が対照的に見える。
すかいらーくは“肉スティール”について何もしていないわけではない。メディアの取材に対し、今後はスタッフが利用客に直接ロボットの利用方法を説明する運用に変更するとしている。さらには、英語や中国語などに対応したイラスト入りの掲示を設けたり、他の客の商品を取ろうとすると音声で知らせる機能を導入するなど、本格的な対策に乗り出しつつある。
ただ、これらはあくまで配膳時の取り間違いを防ぐための対策だ。「他の客の商品を取ってしまうトラブルが起きている」という事実を企業自ら広く利用客に知らせることとは、また別の話ではないだろうか。
さらに、その情報を自ら利用客に届けるという点では、資さんうどんほど積極的には見えない。「巧遅は拙速に如かず」という言葉がある。上手にやろうとしてぐずぐずと時間をかけるよりも、多少出来栄えが劣っていても、素早く仕上げるほうがよく、逆にどれほど完成度の高いものでも、遅すぎれば意味をなさないという教えだ。
どうしても日本人、そして日本企業は万全を期して完璧な状態にしてからと考えがちだが、それでは時間がかかりすぎる。しかし、問題を把握していることや、対策を検討していることを知らせるだけなら、すぐにでもできるはずだ。
まだ“肉スティール”の存在を知らず、不快な思いをしている客もいるかもしれない。今ではすかいらーくグループの中で3番目に多いチェーンとなったしゃぶ葉だが、不快な思いをした人は再訪したくなくなるだろう。
今回の事案の影響もあってか、X上では「治安が悪い」「民度が低い」とも言われることもあるしゃぶ葉だが、企業の信頼やブランド力のためにも、どれだけ早く顧客にアナウンスするのかが重要ではないだろうか。


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