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北朝鮮が初めて核実験をしたのが2006年10月9日、それから20年の歳月が流れた。
当時、筆者は共同通信のソウル特派員をしていた。北朝鮮外務省は同年10月3日に声明でアメリカを非難し「これ以上事態の発展をただ眺めていることはできない」「今後、安全性が徹底して保証された核実験をする」と核実験を予告した。それからは、「いつ、やるのか」と緊張した毎日だった。
当時、安倍晋三首相が10月8日に中国を、9日に韓国を訪問する予定だった。「安倍首相の訪韓と核実験がぶつからなければよいが」と思っていたが、嫌な予感に限って当たるものだ。
20年前・北朝鮮初の核実験
安倍首相は8日に胡錦濤国家主席や温家宝首相と会談し、日本時間の9日午前9時25分に北京を出発して韓国へ向かい、同11時過ぎにソウルに到着した。北朝鮮は午前10時35分ごろ、咸鏡北道吉州近くの豊渓里核実験場で初めての地下核実験を行った。安倍首相が中国からソウルへ向かう機中だった。
北朝鮮は実験の20分前に中国に通告し、中国はすぐに日米韓3国に通知した。11時45分頃、韓国政府当局者が、北朝鮮が核実験を行った情報があると語ったと韓国の聯合ニュースが報じたのが「騒動」の始まりだった。
朝鮮中央通信は同11時57分頃、核実験を行ったと報じ、正式に核実験を確認した。朝鮮中央放送は正午から報道した。
筆者はソウル支局から日韓首脳会談のプレスセンターのあるホテルに向かう途中で核実験を知らされた。首脳会談の取材はいいから支局に戻って、まずは核実験の原稿処理に当たれという本社の指示だった。
この時、何か、とても嫌な徒労感に襲われたことを今も記憶している。北朝鮮がどうしようもないところに向かっているという感じに襲われ、これから核兵器を持ったこの国にどう向き合えばよいのだろうかという自問にとらわれた。それから20年だ。
スウェーデンのストックホルム国際平和研究所(SIPRI)は2026年6月、北朝鮮は約60発の核兵器を保有し、さらに約30発の核兵器を製造できる核物質を保有しているとした。韓国の国防研究院は80発から120発と推定している。アメリカのトランプ大統領は8月19日、米朝首脳会談に意欲を示しながら「誰か(北朝鮮)が核ミサイル112発を持っているなら、いい関係でいる方がよいのではないか」と述べた。
SIPRIはフランスが280発、イギリスが120発の核兵器を実戦配備しているとしたが、北朝鮮は現在のペースで核兵器の量産を続ければ、次期党大会が予定されている2031年には英仏に迫る核兵器を保有する可能性がある。
しかし、北朝鮮が200発以上の核兵器を保有したからといって、北朝鮮の金正恩体制は国際社会から体制の保証を得ることができるだろうか。核兵器の保有量が多くなればなるほど、北朝鮮は「危険な国」になる。
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